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【英語の分詞】現在分詞と過去分詞の用法はたった3つだけ

分詞は-ingの形の現在分詞と-edの形をとることの多い過去分詞の2種類があります。分詞は文中で動詞、形容詞、副詞いずれかの役割を果たします。進行形で現在分詞が、完了形と受動態で過去分詞が用いられるときは、分詞は動詞としての役割を果たします。 分詞構文は文中で副詞句となります。分詞が形容詞の役割を果たすと①名詞を修飾し、②文の補語になります。

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目次

分詞とは何か?

動詞でありながら同時に名詞・形容詞・副詞などの働きをするものを準動詞といいます。準動詞には不定詞分詞動名詞の3つがあります。不定詞と動名詞がよくわからない方は以下の記事をご確認ください。

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分詞は-ingの形の現在分詞と-edの形をとることの多い過去分詞の2種類があります。現在分詞と過去分詞の作り方がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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分詞の用法

分詞は文中で動詞、形容詞、副詞いずれかの役割を果たします。

分詞の動詞的用法

進行形で現在分詞が、完了形受動態で過去分詞が用いられるときは、分詞は文中でbe動詞もしくはhaveとセットで動詞としての役割を果たします。

[進行形] be動詞+現在分詞
Suzu is playing Kyogi Karuta now. 
すずちゃんはいま競技かるたをしている。
[完了形] have+過去分詞
I have known Suzu since she was an elementary school student.
すずちゃんが小学生の頃から彼女とは知り合いです。
[受動態] be動詞+過去分詞
Suzu was scolded by her father for the first time. 
すずちゃんは父に初めて叱られた。

進行形と完了形と受動態がよくわからない人は以下の記事をご確認ください。

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分詞の副詞的用法

分詞構文で現在分詞と過去分詞が用いられるときは、分詞構文は文中で副詞句となります。

Being popular, Suzu Hirose will win the election easily.
広瀬すずは人気があるので簡単に選挙に勝つだろう。
Written in plain English, this book is very popular among children.
平易な英語で書かれているので、この本は子供たちにとても人気がある。

上の例文ではBeing popularとWritten in plain Englishが副詞句になっています。以下の記事で分詞構文の詳しい解説をしています。

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分詞の形容詞的用法

ほとんどの英文法書では、分詞の動詞的用法と副詞的用法は分詞の章以外で詳しく解説されています。進行形、完了形、受動態、分詞構文の文を作る際に現在分詞もしくは過去分詞が使われるというだけのことなのでとくに分詞を意識的に学習する必要はありません。分詞が難しいのは形容詞的に使われる場合においてです。そこで分詞の形容詞的用法を詳しく見てみます。

分詞の形容詞的用法─限定用法

分詞が形容詞の役割を果たすというのは、つまり分詞は形容詞と同じように、①名詞を修飾し、②文の補語になるということを意味します。前者を分詞の限定用法、後者を分詞の叙述用法といいます。

形容詞は名詞を修飾します。a handsome man (ハンサムな男性)のhandsomeは名詞のmanを修飾する形容詞ですが、分詞も形容詞と同じように名詞の前に置いて名詞を修飾することができます。この「分詞+名詞」の形を前置修飾といいます。現在分詞は「~している」で能動の意味があり、過去分詞は他動詞の時は「~される」で受動、自動詞の時は「~した」で完了の意味になります。

[現在分詞]
boiling water 沸騰しているお湯[能動]
[過去分詞]
a stolen car 盗まれた車[受動]
a retired pro baseball player 引退したプロ野球選手[完了]

名詞の前に置かれる分詞は常用されると形容詞と見なされるようになります。これを分詞形容詞と言います。例えば、「沸騰する」という意味のboilにingのついたboilingを辞書で確認すると分詞ではなく形容詞という品詞になっています。boilの過去分詞の形のboiledも辞書では形容詞という品詞になっています。名詞の前につく分詞は形容詞と役割が変わらないので文法的には特に深く考えなくてかまいません。

目的語や修飾語句を伴う分詞は名詞の後に置きます。これを後置修飾といいます。

[現在分詞]
The girl running in the hall is my sister. 
廊下を走っている女の子は僕の妹です。
[過去分詞]
The girl scolded by the teacher is my sister. 
先生に叱られている女の子は僕の妹です。

以下、後置修飾された分詞が出てくる例文をいくつか見てみます。

現在分詞

風の谷を攻撃したクシャナは、風の谷の民に「我らは辺境の国々を統合し、この地に王道楽土を建設するために来た。」と述べますが、英語版では以下のように意訳されています。

Villagers, we have come to your land in the name of peace. Our goal is to unify the kingdoms surrounding Tolmekia.
村人たちよ。我々は平和の名においてこの地に来た。我々の目的はトルメキアを取り囲む諸王国を統一することである。
villager=村人; land=土地; in the name of=~の名において; peace=平和; goal=目的; unify=~を統一する; kingdom=王国; surround=~を取り囲む

Villagersは「村人たちよ」の意の呼びかけです。ここでのsurrounding Tolmekiaはthe kingdomを修飾している現在分詞です。 the kingdoms surrounding Tolmekiaは「トルメキアを囲む諸王国」という意味になります。

『ハウルの動く城』にも現在分詞を使ったセリフが出てきます。ソフィーが火の悪魔カルシファーに尋ねます。

“Calcifier! Are you the one moving the castle?”
「カルシファー!この城あんたが動かしてるの?」

movingという現在分詞がthe castle (城)という目的語を伴ってthe one (もの、人)を修飾しています。

過去分詞

過去分詞は受動的な意味で名詞を修飾します。単独の場合は通常、名詞の前に置きますが、他の語を伴うときは名詞の後に置きます。

『ハウルの動く城』でのセリフです。ソフィーがカルシファーに「あんたがハウル?」と尋ねると、カルシファーは「 違うね。おいらは火の悪魔カルシファーっていうんだ。 」と返答します。

“Are you Howl?”
“No, I’m an extremely powerful fire demon named Calcifer.”
extremely=very; powerful=強力な; demon=悪魔; named=~と呼ばれる

fire demon named Calcifierは「カルシファーと呼ばれる火の悪魔」という意味になります。

次は『風の谷のナウシカ』から。腐海の植物なのに空気が清浄なのにびっくりするユパに、ナウシカは「ここの水は城の大風車で地下500メルテから上げている水です」と説明します。

I irrigated this chamber using water drawn from deep underground by the castle windmill.
irrigate=~を灌漑する; chamber=(特定の目的に使われる家の)部屋; draw water=水をくみ出す; from underground=地中から; castle=城; windmill=風車

water drawn from deep underground by the castle windmill (城の風車によって地下深くからくみ出された水)のdrawnは修飾語を伴っているので名詞のwaterの後に置かれています。

分詞の形容詞的用法─叙述用法

形容詞的用法では分詞は名詞を修飾するだけでなく、第2文型(SVC)と第5文型(SVOC)の文で補語(C)となります。その際、「~している」という能動の意味では現在分詞が、「~されている」という受動の意味ではは過去分詞が用いられます。

S+V+C

第2文型の補語には様々な品詞が用いられます。I became a teacher. だと名詞が、This computer is not mine. だと代名詞が、She is cute. だと形容詞が、School if over at 4. p.m. だと副詞が補語になっています。分詞に見える第2文型の補語のほとんどが分詞が形容詞化した分詞形容詞です。例えば、I am interested in this book. のinterestedは「~に興味を起こさせる」という意味のinterestの過去分詞ではなくて、ただの形容詞です。This game is disappointing. のdisappointingも「~を失望させる」という意味のdisappointの現在分詞ではありません。このように第2文型の補語の理解に分詞の知識は必要ありませんが、補語を必要としない完全自動詞に現在分詞がつくことがあるので注意が必要です(注: 補語を必要とする動詞を不完全自動詞と言います)。ただし文法的には変わった用法なので使いこなせなくてかまいません。「こういう用法もあるんだな」と頭で理解するだけで十分です。

完全自動詞で補語が現在分詞

Suzu Hirose came running.
広瀬すずが走ってやってきた。
Alice Hirose walked crying into the room.
広瀬アリスは泣きながら部屋に入ってきた。

完全自動詞で補語が過去分詞

Suzu sat surrounded by her fans.
すずちゃんはファンに囲まれて座っていた。

S+V+O+C

seeやhearなどの知覚動詞とmakeやletなどの使役動詞が使われた第5文型(SVOC)の文でよく補語(C)が分詞になります。補語が現在分詞だと「OがCしている」、過去分詞だと「OがCされている」という意味になります。

知覚動詞

「~が…するのを〇〇する」 という意味の知覚動詞は「動詞+目的語+動詞の原形」という形をとりますが、 「~が…しているところを〇〇する」 というように、何かをしている動作の途中の一部を示す場合は「知覚動詞+目的語+現在分詞」の形をとります。

I saw Suzu-chan crying the classroom.
教室ですずちゃんが泣いているのを見た。

Don’t you smell something burning in the kitchen?
台所で何かが焦げているにおいがしませんか?

「知覚動詞+目的語+過去分詞」は「~が…されるのを〇〇する」という受身の意味になります。

I heard my name called in the subway.
地下鉄で自分の名前が呼ばれるのを聞いた。

知覚動詞がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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14の知覚動詞の4つのパターン 見たり、聞いたり、感じたりすることを表す動詞を知覚動詞といいます。英語の知覚動詞にはsee, hear, feel, watch, look at, listen to, smellなどがありますが、知覚動詞には目的語の後に原形不定詞・現在分詞・過去分詞が置くことが可能かどうかで4つに分類されます。

使役動詞│have [get]+O+過去分詞

使役動詞のhavegetは目的語の後に分詞がつくことがあります。現在分詞が後につくとhaveは状態の継続、getはある状態にもっていくことを示唆して「~を…させる、させておく」という意味になります。

My mother had me studying all night.
母は私に徹夜で勉強させた。

He helped me get my blu-ray drive working.
彼はブルーレイ・ドライブが動くようにしてくれた。

haveやgetに過去分詞が後につくと「~を…させる」(使役)、もしくは「~を…される」(受動)という意味になります。主語の意志が介在している場合は「使役」、相手の意志によってする場合は「受動」の意味になりますが、どちらかが分かりにくい場合もあるので注意してください。以下の2つの例文の過去分詞は「歯を抜かれた」、「指を挟まれた」という受動の意味になっています。

I had my teeth pulled out without anesthesia yesterday.
昨日、麻酔なしで歯を抜いてきました。

I got my fingers caught in the door by accident.
誤ってドアに指を挟んでしまった。

以下、「使役」の意味になっている例をいくつか見てみます。

『もののけ姫』でエボシがゴンザにサンについて「ひとりか?」と尋ねると、ゴンザが「はっ、よほど追いつめられたと見えます。エボシさまをねらってのことでしょう」と返答します。

“Is she alone?”
“Yes. She can’t escape. We have her cornered. You know she means to kill you this time.
alone=ただひとりで; escape=逃げる; corner=~を窮地に追い込む; mean to=intend to ~するつもりである; this time=今回

サンは窮地に追い込まれますが、そうさせたのは主語のweなので「受動」ではなく、「使役」(「我々がサンを窮地に追い込ませる」という意味)であることがわかります。

次は『千と千尋の神隠し』の最初の場面です。お父さんが「あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。このまま行っていけるのかな。」と言うと、お母さんが「やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。」 と言い返します。

千尋の父: “I must have missed the turnoff. This road should get us there.”
千尋の母: “Honey, don’t take a shortcut. You always get us lost.”
miss=~を見失う; turnoff=分岐点; get A there=Aをそこに到着させる; Honey=愛する人への呼びかけ; take a shortcut=近道をする

get A lostは「Aを迷子にさせる」という意味で「使役」なのがわかります。迷子にさせるのはYou、即ち、父親だからです。

次は『耳をすませば』での場面です。雫のお母さんがお父さんにプリンターを先に貸してくれと言います。

Can’t I use the printer first? My professor will kill me if I don’t have his paper turned in tomorrow.
「ああ、先貸して。急いでこれまとめなきゃ。教授うるさいんだから。」
professor=教授; kill=~に激怒する; paper=小論文、レポート; turn in=(レポート・宿題など)を提出する

これも「受動」ではなく、「使役」の意味になります。レポートを提出するのはIだからです。

使役動詞の用法がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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その他の動詞

keepとleaveは目的語の後に現在分詞と過去分詞を置くことができます。keepは「Oを~させ続ける」、leaveは「Oを~のままにしておく」という意味になります。

急いでいるキキがジジに言います。 「次は4時半って約束なのよ」 。このセリフが英語版では以下のように訳されています。

We can’t keep our next appointment waiting.
次のアポイントメントを待たせるわけにはいかない。

次は『もののけ姫』での場面です。エボシがアシタカを呼んでこう言います。「アシタカとやら待たしてすまぬな。明日の送りのしたくに手間どってね。いい鋼(はがね)だ」

Forgive me for keeping you waiting, stranger. That’s good iron. We were running behind with tomorrow’s shipment.
forgive A for B=AのBを許す; stranger=見知らぬ人; iron=鉄; run behind= (予定時刻より)遅れる; shipment=船積み

keepの目的語が「~される」場合は過去分詞が続きます。

We must keep the door locked.
鍵をかけておかなければならない。

次はleaveを用いた例文です。

Alice left the water running all night.
アリスは一晩中水を流しっぱなしにしていた。

Alice left her car unlocked when she went to eat lunch.
アリスはお昼を食べに行くときに、車の鍵をかけずに出かけてしまった。

また、findも現在分詞と過去分詞を目的語の後にとることができます。『紅の豚』からです。

Yeah, they only made one. Then they decided it was too dangerous. No pilot could fly it. I found it covered in dust in a warehouse.
「たった一艇だけ作られたんだが、危なくて飛べねえってんで倉庫で埃をかぶってたのさ。」
found=findの過去形; be covered in dust=ほこりをかぶる; warehouse=倉庫

itは飛行機のことです。「それ(飛行機のこと)が倉庫でほこりで覆われたのを見つけた」とポルコは言っています。

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