英文法

例文で覚える英語の動名詞

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象としたサブノートです。

テキストは旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』を使用。受講者は「第8章 動名詞」(pp.174-186)を熟読してください。

動名詞は名詞的な性質をもつ準動詞で「~ing」の形をとります。準動詞と言えば、不定詞・分詞・動名詞の3つ。「~ing」の形をとるのは進行形・分詞・動名詞の3つ。どちらにもあるのは分詞と動名詞です。分詞は形容詞的な性質をもちます。「形容詞的」というのはつまり名詞を修飾するということです。「名詞的」というのは文の中の主語・目的語・補語になるということです。このことに気をつけていれば、分詞と動名詞をごちゃまぜにすることはなくなります。

動名詞の働き

動名詞は名詞相当語句として主語や目的語や補語になります。

主語になる

ハウルの代わりに宮殿に行ったはずなのに、結局ハウルも来たことに対してソフィーが「ハウルが来るなら私が来ることなかったのよ!」と言うと、ハウルがこう言い返します。

「ソフィーがいると思うから行けたんだ。」

Knowing you’d be there gave the courage to show up.

courage=勇気; show up=現れる

主語のKnowing that you would be thereは不定詞に変えてTo know that you would be thereと言い換えることができます。

動詞の目的語になる

動名詞は動詞の目的語になることができますが、to不定詞も動詞の目的語になることができます。後で述べるように、動詞には目的語に①to不定詞だけをとる、②動名詞だけをとる、③動名詞とto不定詞のどちらも目的語にとる、の3種類があります。ある動詞がどれに当てはまるかは、基本的に「理屈」で覚えることはできません。大事なのは「慣れ」による「感覚」です。例えば、多読していれば「~を嫌う」という意味のhateは動名詞だけでなくto不定詞もとることが感覚的にわかります。例えば、 「彼とキスするのは嫌だ」という意味で I hate to kiss him. と言えるし、下の例文のように「子供でいることが嫌だ」という意味でI hate being a child. と言っても違和感を感じません。

「けいおん!」での秋山澪のセリフ「やる前から無理だとかだめだとかばかり言ってる」は、I keep giving up or telling myself I can’t do it before I even try. と訳されていますが、I keep giving up or telling…とは言えますが、これをI keep to give up or tellと言うことはできません。ネイティブがこういう間違いをすることはまずありませんが、なぜかというと英語の授業でそう習ったからではなく、日常生活でkeep to…という表現を耳にすることが全くないので、たまたまそういう英語を聞いたら違和感を感じるためです。

前置詞の目的語になる

動名詞は動詞の目的語だけでなく、前置詞の目的語にもなります。例えば、以下のパズーのセリフを見てください。

「きっと園庭のロボットなんだ。人がいなくなってからもずっとここを守ってたんだね。」

“They must’ve been protectors of the garden. And they’ve kept on guarding the place, even long after all the people have gone.

「~し続ける」というkeep onの後には動名詞が続きます。must’veはmust haveの省略形、protectorは「保護者」、gardenは「庭園」、guardはprotectの同義語、evenは「~でさえも」、long afterは「~のずっと後に」という意味です。

ナウシカが王蟲の抜け殻を見つけます。「谷の人が喜ぶわ。道具づくりの材料にずっと困らなくてすむもの。」

This should make the people of the valley happy. They won’t have to worry about finding materials for making tools for a long time.

valley=谷; worry about=~について心配する; material=原料、材料; tool=道具

worry aboutの後のfindingが動名詞です。

補語になる

動名詞は補語になることもあります。進行形も同じ形になるので間違わないように気をつけてください。I am playing tennis. だと現在進行形で「私はテニスをしています。」、My hobby is playing tennis. だと動名詞で「私の趣味はテニスをすることです。」という意味になります。

動名詞を用いた慣用構文

『実践ロイヤル英文法』には以下の動名詞を用いた慣用構文が紹介されています。
It is (of) no use ~ing ~しても無駄である
There is no ~ing ~することは不可能である
on ~ing ~するとすぐに
feel like ~ing ~したい(ような気がする)
It goes without saying that … …は言うまでもない
never … without ~ing …すれば必ず~する
worth ~ing ~する価値がある
Would [Do] you mind ~ing? ~していただけますか
cannot help ~ing ~しないわけにいかない
be accustomed to ~ing ~するのに慣れている
be used to ~ing ~するのに慣れている
look forward to ~ing ~するのを楽しみにしている
What do you say to ~ing? ~したらどうだろう
すべて重要構文なのでしっかりマスターしてください。

いくつか例文を紹介します。まずは「worth…ing ~する価値がある」

Education is an admirable thing, but it is well to remember from time to time that nothing that is worth knowing can be taught.

アイルランド出身の作家であるオスカー・ワイルドの言葉です。「教育は立派なものだ。しかしいつも忘れてはならない。知る価値のあるものは、すべて教えられないものだということを。 」

education=教育; admirable=称賛に価する; from time to time=sometimes; teach-taught-taught=~を教える

次は「Would [Do] you mind ~ing? ~していただけますか」。修行の旅に出た夜、キキは空で別の魔女っ子に声をかけると、「その音楽とめてくださらない?静かに飛ぶのが好きなの」と言われます。

“Uh-huh. Would you mind turning off that radio?”

turn off a radioで「ラジオを切る」という意味になります。Would you mind ~ing …?は「~していただけますか」という意味の丁寧な依頼表現です。もっとぶっきら棒だと Will you turn off that radio? となりますが、ここではより丁寧な表現で依頼することで、逆にこの女の子はキキとの関係に距離感を生み出そうとしている風にも見えます。

ラストは「look forward to ~ing ~するのを楽しみにしている」という表現。

ミトはナウシカにこう言います。「今宵はまた 異国の話を聞かせて下さい」

“I’m looking forward to hearing all the news from the other kingdoms tonight.”

kingdomは「王国」を意味します。

動名詞とto不定詞

動名詞は他動詞の後の目的語になることができますが、動詞によっては目的語に動名詞を使えず、to不定詞だけ使え、逆に、to不定詞は使えず動名詞だけ使える動詞もあります。ここでのto不定詞は名詞的用法なのを忘れずにいてください。

to不定詞だけを目的語にとる動詞

『実践ロイヤル英文法』(p.183)にはto不定詞だけを目的語にとる動詞を載せています。

claim; decide; decline; demand; desire; determine; expect; hope; learn; manage; mean; offer; pretend; promise; refuse; resolve; seek; wish

これらの動詞には…ingの形の動名詞が続かないことは英語に慣れ親しんでいれば丸暗記しようとしなくても容易に習得できます。例えば、I hope to play in one of the European Leagues. (私は欧州のリーグのどれかで試合をしたい)という文を間違って誰かが I hope playing in one of the European Leagues. と書いたとしても、hopeの後に…ingの動詞が続く英語をまったく見聞きしていなければおかしいと感覚的にわかります。多読が必要なわけです。

動名詞だけを目的語にとる動詞

『実践ロイヤル英文法』(p.184)にはto不定詞だけを目的語にとる動詞を載せています。

admit; avoid; consider; deny; enjoy; escape; excuse; finish; give up; imagine; involve; mind; postpone; put off; stop

しかし、stopは後にto不定詞がくることもあるので注意してください。例えば、「タバコをやめた」はI stopped smoking. ですが、I stopped to smoke. だと、「立ち止まってタバコを吸った」という意味になります。

以下、動名詞が目的語に来る動詞の例文をいくつか紹介します。

finishの後にto不定詞が来ることはありません。「~することをやめる」は必ずfinish …ingです。

『耳をすませば』で雫が古時計の細工を見て「わーっ、きれい。これ、なんですか?」と言うと、おじいちゃんの西司朗が「ふふふ、できあがってのお楽しみ。」と言います。英語版では「これをちょうど修復し終えたばかりなんだよ」という文句がつけ加えられています。restoreは「~を回復する、修復する」という意味です。

“Oh, beautiful. So, what does it do?” “It might not do anything. I just finished restoring this.”

『実践ロイヤル英文法』のリストには漏れていますが、keepも「~し続ける」という意味で後に動名詞が続く動詞です。keep to doとなることはありません。

ソフィー「あたしたちがここにいるかぎり、ハウルは戦うわ。あのひとは弱虫がいいの。」

“If we don’t break away, Howl will keep protecting the hat shop. I’d preferred him as a coward.”

break away=関係を断つ; protect=~を守る; prefer=~を好む; coward=臆病者

動名詞とto不定詞のどちらも目的語にとる動詞

他動詞には動名詞・to不定詞どちらも目的語にとれるものがありますが、意味が変わるものと変わらないものの2種類があります。『実践ロイヤル英文法』で「意味にあまり差のないもの」としてあげられている動詞には
begin to doとbegin …ing
cease to doとcease …ing
continue to doとcontinue …ing
start to doとstart …ing
like to doとlike …ing
love to doとlove …ing
prefer to doとprefer …ing
hate to doとhate …ing
が挙げられています。

「意味上差がある」動詞には
remember to do (忘れずに~する)とremember …ing (~したことを覚えている)
forget to do (忘れずに~する)とforget …ing (~したことを忘れる)
regret to do (~して残念に思う)とregret …ing (~したことを後悔する)
need to do (~する必要がある)とneed …ing (~される必要がある)
want to do (~することを欲する、~したい)とwant …ing (~される必要がある)
try to do (~しようと試みる)とtry …ing (試しに~してみる)
が挙げられています。

聖司「雨あがるぞ。」 雫「ほんとだ。 わあ、あそこ見て。 虹が出るかもしれない。」

“Hey, it stopped raining. Look.” “Yeah, you’re right. Wow! Look at that view. Maybe we’ll see a rainbow.”

viewは「光景、景色 what you can see from a particular place」、 rainbowは「虹」を意味します。『実践ロイヤル英文法』にはstopは動名詞だけを目的語にとる動詞と説明されていますがto不定詞を目的語にとることもあります。ここでは「~することをやめる」という意味でingの動詞が続いています。

キキがニシンのパイを配達に行った場面。配達先の女の子が「まあ、ずぶぬれじゃない」が言うと、「急に降ってきたもんですから。でもお料理は大丈夫です」と返答するキキ。

“But it is soaking wet.” “Oh, well, I’m sorry. It began to rain on the way.”

soaking wet=ずぶぬれで; on the way=途中で

釜爺「おまえ、なにも覚えてないのか?」
ハク「切れ切れにしか思い出せません。闇の中で千尋が何度も私を呼びました。」

“You blacked out, remember?”
“Yeah, I remember being in darkness. Then I could hear Sen’s voice calling out my name.”

暗闇で[に] [釜爺-ハク] black out=気を失う; in darkness=暗闇で; voice=声; call out=~を大声で呼ぶ 

remember …ingとremember to doの違いに注意してください。remember being in darknessだと「暗闇にいたことを思い出す」、remember to be in darknessだと「忘れずに暗闇にいる」という意味になります。

動詞tryは「~しようと試みる」という意味でtry to doの形が使われることが多いですが、次のセリフではtry …ing (試しに~してみる)が使われています。

雫「ううん、あいつが言ったの。あいつは自分の才能を確かめにいくの。だったらあたしも試してみる。決めた!あたし物語を書く! 書きたいものがあるの。あいつがやるならあたしもやってみる。」

”That’s what Seiji said. He isn’t sure he has any talent either. I should test myself like he is. That’s what I’ll do. I’ll try being a writer. I’ve already got a story. I’ve got two months to see what I can do.”

be not sure=確信していない; not … either=~も~しない; talent=才能; test oneself=自分の能力を試す; writer=作家; have got=have; see=~を確かめる

ここで雫がI try to be a writer. と言うと「作家になろうとする」、I try being a writer. だと「ためしに作家になってみる」と言う意味になります。