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英語版『風の谷のナウシカ』で習得できる必須英文法13選

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象とした記事です。

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『風の谷のナウシカ』の英語版はNausicaä of the Valley of the Windと言います。なぜNausicaではなくNausicaäなのかはよくわかりませんが、もしかしたらホメーロスの『オデュッセイア』に登場するナウシカアーがそう表記するからなのかもしれません。

『風の谷のナウシカ』はナウシカ独自の特殊用語が多数あるので英語版でその英語訳を確認するのは楽しくもあるし、また面倒でもあります(何が煩わしいかと言うと、せっかく時間をかけてナウシカ専門用語を覚えても実際の日常会話では役に立たないからです)。「巨神兵」giant warrior, 「腐海」toxic jungleと訳されています。「王蟲」はそのままOhmuです。

ボキャブラリー力向上のためのアニメとしては、ナウシカはジブリの中ではいまいちかもしれません。ナウシカよりも日常生活が舞台となっている『耳をすませば』や『魔女の宅急便』の方が役に立つセリフ満載です。 しかし、逆に他のジブリアニメよりも口語調でなくなり、その分、英文法の見本例文についしたくなるセリフが数多く出てきます。ここではそのいくつかを見ましょう。

目次

現在完了─継続

『風の谷のナウシカ』では、ユパ様の登場後、以下のナレーションが始まります。

巨大産業文明が崩壊してから千年
錆とセラミック片におおわれた荒れた
大地に くさった海…腐海(ふかい)と
呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の
森がひろがり 衰退した人間の生存を
おびやかしていた

英語版では以下のように訳されています。

A thousand years have passed since the collapse of industrialized civilization. A toxic jungle now spreads, threatening the survival of the last of the human race.

かなり短くなっています。最初の英文は「巨大産業文明が崩壊してから千年」、2つ目の英文は「腐海(ふかい)がひろがり 衰退した人間の生存をおびやかしていた」の部分です。「腐海」は「有毒のジャングル toxic jungle」と訳されています。

a thousand years = 1,000年
pass = (時が)過ぎ去る、たつ
collapse = 崩壊
industrialized = 工業化した、産業化した
civilization = 文明
the last of… = 最後の人[物、事]
the human race = 人類

最初の文で現在完了が使われています。現在完了は、「have [has] + 過去分詞」の形をとります。「since A (~以来) 」が続く現在完了は、since Aの時期から現在までのある状態の「継続」を表します。ここでは、1,000年前に産業文明が崩壊し、その崩壊状態が今も続いているというわけです。

threatening以下は分詞構文です。ここでの分詞構文の意味は付帯状況と考えるのがよいでしょう。A toxic jungle now spreads and threatens the survival of the last of the human race.という意味に捉えてよいということです。ただし「原因・理由」を表すと考えることもできます。

現在完了─経験

ナウシカが王蟲の抜け殻を見て、「すごい。完全な抜け殻なんて初めて。」とつぶやきます。

Amazing. I‘ve never seen a whole shell before.

現在完了は「完了・結果」、「経験」、「継続」などの意味がありますが、ここではneverを伴い「現在までの経験」の否定を表わしています。このように「~したことがある」もしくは「~したことがない」という経験を表わす時に現在完了が使われます。ここでナウシカは、「以前に」(before)「1度も」完全な抜け殻を見たことが「ない」(never)と主張しています。現在完了だけで「現在までの経験」を示せるので、beforeをつけ加えなくても文章の意味はほとんど変わりません。

間接疑問のI wonder…

ナウシカは「オウムの抜け殻(Ohmu shell)」についていた目を殻から外して持って帰ろうとします。「すごい目。これひとつなら持って飛べるかな?」。英語版では以下のように訳されています。

What an amazing eye. I wonder if I could fly back home with this.

amazingはweblioには「驚くべき、びっくりするような、すばらしい」という訳が載っていますが、これだとsurprisingとの違いがわかりません。amazingはsurprisingの強意形です。つまりextremely surprisingがamazingです。fly back homeは「飛ぶ」「戻る」「家に」のセットということで「飛んで家に戻る」という意味になります。withは「~を持って」という意味の前置詞です。

wonderは要するに自問自答するということです。「あれって何々かしら」って頭に浮かんだら、ネイティブには自然とI wonder…という文句が浮かんできます。次のif節(~かどうか)で具体的に、何について疑問に思っているかが規定されます。この言い回しを自然と出せる日本人は意外と少ないようです。I wonder if…で覚えるよりも、なにか疑問が起きたら、I wonderとつい口に出すクセをつけると良いです。wonderの後は常にifとは限りません。I wonder which of these is your favorite book. (どちらの本があなたのお気に入りかしら)、I wonder where he went away. (彼はどこに行ったのだろう)など様々な疑問詞をつけることができます。

onlyという意味のnothing but

ナウシカが王蟲を引き換えさせると、ユパ様が「おお。オウムが森へ帰っていく。光弾と虫笛だけでオウムを静めてしまうとは。」とつぶやきます。

Unbelievable. It’s going back to the jungle. She turned it back with nothing but an insect charm and flash grenades.

unbelievableは「信じがたい」という意味で覚えている人が多いでしょうが、amazingと同義語です。つまりunbelievableもamazingもextremely surprisingという意味です。go back toは「~に戻る」、turn A backは「Aを元の場所に引き返させる」、charmは「(腕輪などにつける)飾り、お守り」、flashは「閃光(a sudden bright light that quickly disappear)」、grenadeは「手榴弾、薬品入り球弾」を意味します。insectは「昆虫」という意味ですが、ナウシカでは「王蟲」のことをinsectと言います。「光弾」はflash grenade、「虫笛」はinsect charmと意訳されています。

nothing butは「ただ~だけ」、「~のほかは何もない」という意味です。同意語はonlyです。「nothing but=only」をしっかり覚えておきましょう。

過去完了

ナウシカはユパ様のポシェットの中にいるキツネリスに気づきます。を見てナウシカがまあ、キツネリス。と言います。英語版ではこう訳されています。

Wow, is that a fox-squirrel? I’ve never seen one.

英語版では「私はキツネリスを一度も見たことないわ」というセリフが付け加えられていますが、I’ve never seen one. のhave seenは現在完了「経験」を表しています。キツネリスを見た経験がないと言っているわけです。oneは不定代名詞です。前に出てきた名詞の代わりに、不特定の「a [an]+単数普通名詞」という形で受けるときにoneを用います。

そして、ユパ様はこう返答します。

I hadn’t, either.

I hadn’t seen a fox-squirrel, either. (私もキツネリスを見たことがありませんでした。)が省略された形ですが、ここで過去完了「had+過去分詞」が使われていることに注目してください。ナウシカはユパ様のポーチの中にいるキツネリスを「今」初めて見たから、現在完了が使われました。現在というこの一点においては見ているけど、それ以前はまったく見たことがなかったから現在完了です。でもユパ様が初めてキツネリスを見たのはナウシカがキツネリスを初めて見たときよりも以前のことです。つまりユパ様にとってはキツネリスを見るという行為は過去形であり、その過去の一点を基準にして、それ以前は見たことがなかったから過去完了が使われています。

ちなみにeitherは否定文の後に続いて、「~もまたない」という意味になります。ここでユパ様は、ナウシカと同じく私もキツネリスを見たことがないと言っています。肯定して「~もそうです」というときは、tooを使います。

have no choice but to 「~せざるを得ない」

キツネリスをナウシカに見せるユパ様。「こいつが羽虫にさらわれたのを人の子と間違えてな。つい銃を使ってしまったのだ。」

I saw an insect carrying him off, and I mistook him for a human baby. I had no choice but to use my gun.

insectは「王蟲」のことです。carry A offは「Aを持ち去る、運び去る」、mistookはmistakeの過去形でmistake A for Bは「AをBと間違う」。human beingは「人間」。seeの過去形のsawは知覚動詞です。seeやhearなどの知覚動詞は「動詞+目的語(O)+…ing」の形で「Oが~しているところを見る[聞く]」という意味になります。

have no choice but toは「~する以外の選択肢はない、~せざるを得ない」という意味のイディオムです。have toとほぼ同義ですが、不可避性をやや強めた表現です。

動物を飼うはkeep or have?

ナウシカがキツネリスに声をかけます。「ほら、怖くない。 怖くない。うっ。ほらね、 怖くない。ねえ。怯えていただけなんだよね。うふ。うふふふ。ユパ様、この子わたしにくださいな。」ナウシカのこのセリフが英語版では以下のように訳されています。


There’s nothing to fear. Nothing to fear. Hmm. See? Nothing to fear. Right? You were just a little scared, weren’t you? He’s perfect. Will you let me keep him, Lord Yupa?

be scaredは「怖がる(be frightened)」という意味です。中高校の英語の授業では「(動物)を飼う」はkeepと習っている人が多いと思いますが、「ペットを家で飼う」という場合はふつうhaveを用います。keepは冷めたニュアンスがあるためです。だから利用価値があるから飼うという場合はkeepになります。

I keep chickens in my garden.
私は庭で鶏を飼っている。

ナウシカはkeepを使っていますが、Will you let me have him?でもかまわないと思います。キツネリスは野生動物だから、愛玩的な対象と見ずにkeepと言ったのでしょう。

「過去の行為に対する非難や後悔」を表わすshould have + 過去分詞

ナウシカとユパ様の会話です。

ナウシカ 「父はもう飛べません。」
ユパ 「ジルが? 森の毒がもうそんなに。」
ナウシカ 「はい。腐海のほとりに生きるものの定めとか。」
ユパ 「もっと早くに訪れるべきであった。」

英語版ではこう訳されています。

ナウシカ│”Father can’t fly anymore.”
ユパ様│”King Jihl? So the jungle’s poisons are taking their toll.”
ナウシカ│”Yes. Father says it’s the fate of all of us who live near the jungle.”
ユパ様│”I’m sorry. I should have come sooner.”

not anymoreは「もう~でない (not any longer)」、take its/their tollは「大きな損失をもたらす 」、fateは「運命、宿命 (the things that happen to someone, especially negative things)」。「should have + 過去分詞」「~すべきであった」〔実際にしなかったことを含意。過去の行為に対する非難・後悔を表す〕という意味になります。I’m sorryは「ごめんなさい」と謝っているのではなく、よくない話を聞いた時に出てくる表現です。I’m sorry to hear that. のto hear thatが省略されています。

be looking forward to …ing 「~するのを楽しみにしている」

ミトがユパ様に言った「今宵はまた、異国の話を聞かせて下さい。」は英語版ではこう訳されています。

Thank you, sir. I’m looking forward to hearing all the news from the other kingdoms tonight.

「~するのを楽しみにしている」という意味のlook forward to …ingは進行形で使われることが多いです。toの後は動名詞でも名詞でもかまいません(e.g., I’m really looking forward to my holiday)。

remind A of B 「AにBを思い出させる」

ユパ様が生まれたばかりの赤ちゃんを抱き上げてこう言います。「おおっ、よい子だ。幼い頃のナウシカを思い出す。」

Oh, she’s a fine baby. Strong and healthy. She reminds me of Nausicaa as a child.

remind A of B「AにBを思い出させる」という意味です。Bを思い出させるきっかけになったものは「主語」で登場します。ここではその赤ちゃんがナウシカを思い出される、つまり赤ちゃんを見てナウシカを思い浮かんだというわけです。では、なぜその赤ちゃんはナウシカを思い浮かばせたのでしょうか。答えは1つ。似ていたからです。英和辞典ではそのあたりの説明に欠けています。某英英辞典ではremindは以下のように説明されています。

be similar to, and make you think of someone that you know or something that happened in the past
似ていて、あなたが知っている誰かまたは過去に起こった何かを思い出させる

要するに、あるもの/ひとが既知のものと似ていたから、既知のもの/ひとを思い浮かべるわけです。

「名づける」はnameそれともchoose?

赤ちゃんを産んだばかりのママさんがユパ様に名付け親になってくれるようお願いします。「どうか、この子の名付け親になってくださいませ。」

We would be very honored if you would choose a name for her.

ユパ様は即答します。「引き受けよう。良い名を送らせてもらうよ。」

Very well. I’ll see that she’s given a good name.

be honoredは「光栄に思う」、I’ll see that…は「~するように気をつける」という意味です。she’s givenのshe’sはshe hasではなく、she isの略です。つまり、現在完了ではなく、受動態です。

「choose a name for A」「Aに名前をつける」という意味ですが、「名づける」に相当する英単語はnameです。

I named my cat ‘Sora.’
私は自分の猫をソラと名づけた。

chooseはdecide what you want from a range of things or possibilities、つまりすでにあるものの中から気に入ったものを決めることです。だからこのママさんも普通にお願いするのであれば、

We would be honored if you name her.
と言うべきだったでしょう。

そこをあえてchooseという動詞を使っているので、ニュアンス的には、風の谷には誰もが納得できる「いい名前」というのがあって、ユパ様はその中からひとつお選びになる、という感じになります。

It is ~that…の強調構文

ナウシカが大ババ様に尋ねます。「大ババ様。探すってなあに?」

Obaba, what is it that Lord Yupa searches for?

この文はIt is… thatの強調構文です。

Lord Yupa searches for something. 
ユパ様は何かを探している。


を「It is~ that…」の強調構文に変え、~の部分に、somethingを入れて強調すると

It is something that Lord Yupa searches for.

となりますが、このsomethingを尋ねる疑問文にすると、

What is it that Lord Yupa searches for?

になります。What does Lord Yupa search for? という疑問文の強調構文と言ってもかまいません。

同格名詞の冠詞省略

「聞け!トルメキア帝国辺境派遣軍司令官クシャナ殿下のお言葉だ。」この、クシャナの部下クロトワのセリフは以下のように訳されています。

Listen now! You will be addressed by Her Highness Kushana, commander of the Tolmekian army.

addressは「~に話しかける、演説する」、Her/His/Your Highnessは自分より位の高い人を呼ぶときに使う表現、commanderは「指揮官、司令官 an officer who is in charge of a military operation」という意味です。

Her Highness Kushanaとcommander of the Tolmekian armyは同格です。同格名詞での冠詞の省略に注目してください。人名の後に同格名詞として官職・身分などを表す場合、単数形の可算名詞でも、冠詞がよく省略されます(とくに、それが任意の範囲において1人しかいない身分や官職を表す場合)。上の文では、Kushanaはthe commander of the Tolmekian armyのはずなのに、theが省略されています。

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