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【完全版】ハイフンの2つの用法 ★ ダッシュとの違いに注目!

英語のハイフンとダッシュの使い分けができない人が多いようです。ハイフンは一番短い横棒です。ハイフンより長いのがダッシュです。ダッシュにはエヌダッシュエムダッシュの2つがあります。ハイフンは行末の単語が次の行にわたる時と2つ以上の単語を繋ぐ時に用います。

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目次

ハイフンはダッシュとどう異なるのか?

英語のハイフン(hyphen)とダッシュ(dash)の使い分けができない人が多いようです。ハイフンは一番短い横棒です。ハイフンは日本語キーボードでは数字の0の右側にあります。ハイフンより長いのがダッシュです。ダッシュにはエヌダッシュ(en dash)エムダッシュ(em dash)の2つがあります(以下、enダッシュemダッシュと表記します)。enダッシュがnの幅と同じ長さ、emダッシュがmの幅と同じ長さであったことからこのように呼ばれるようになりました(異説もあります)。enダッシュはハイフンより長く、emダッシュはenダッシュよりさらに長く、enダッシュの倍ほどの長さになります。

キーボードのどこにもダッシュは表記されていません。横棒らしきものはハイフンに加え、キーボード右上と右下にありますがどちらもダッシュではありません。キーボード右上にある横棒は長音符です。伸ばし棒とも呼ばれます。「ばーか」の「ー」が長音符です。キーボード右下にある横棒はアンダーバーです。どちらもダッシュではありません。ダッシュをタイプする方法はいくつかありますが、マイクロソフトワードやLibreOffice Writer等のワープロソフトの多くは以下の用法でenダッシュとemダッシュをタイプできます。

※ワープロソフトでAugustとDecemberの間にハイフン、enダッシュ、emダッシュを記入する方法

ハイフン: 数字の0の右側にあるハイフンをタイプして August-December。簡単ですね。

enダッシュ: 両単語とハイフンの間にスペースを置いて August – December と記入した後に エンターキーもしくはスペースキーを押すと自動的にenダッシュに変換されます。

emダッシュ: 両単語の間にスペースを置かずハイフンを2つ記入して August–Decemberとした後に エンターキーもしくはスペースキーを押すと自動的にemダッシュに変換されます。

ハイフンの両端にスペースを置いてはいけません。唯一の例外がハンギングハイフン(hanging hyphen)の場合です。例えば、nineteenthとtwentiethがともにcenturyにかかる場合 nineteenth- and twentieth-century と記入して、最初のハイフンの後にスペースを置きます。nineteenthが係っているのはその直後のandではなく、twentiethと同じくcenturyということを示すためです。

ダッシュの両端にスペースを置くべきかどうかはスタイルガイドによって異なります。米国ではスペースを置かない形が主流です(例えば、The Chicago Manual of StyleThe Publication Manual of the American Psychological Association)。ただし、The New York Times Manual of Style and UsageAP Stylebookはスペースを置くよう指示しています。英国とカナダではスペースを置くことが多いですが、英国のThe Oxford Guide to StyleやカナダのThe Canadian Style: A Guide to Writing and Editingはスペースなしを指示しています。スタイルガイドの指定がない限り、一貫性を保てばダッシュの両端にスペースを置いても置かなくてもかまいません

以下、ハイフンがどのように時に使われるか詳しく見てみます。

ハイフンをつける─行末の単語が次の行にわたる時

行末の単語を次の行に分けて書くとき、単語を音節で区切り、前の行の最後にハイフンをつける。

customary, convenient, recognized, publishingが2行にわたるのでハイフンがつけられている。

右側マージンを均一に見せるために新聞でよくとられる手法ですが、ワープロソフトで両端揃えをすれば自動でスペースの長さが調整されて両端が揃えられるので、我々がこの目的のためにハイフンを使うことはありません。だからこの用法を気にする必要は特にありません。

ハイフンをつける─複合語を作る時

2つ以上の単語を繋いで複合語(compound word)を作る時、単語と単語の間にハイフンを置くことをhyphenated compoundsと呼びます。複合語には3種類の書き方があります。

open compound: 単語と単語の間にスペースを置く
electric fan
ice cream
full moon

hyphenated compound: 単語と単語の間にハイフンを置く
check-in
self-respect
fifty-fifty

closed compound: 単語と単語を合体させる
bedroom
lifestyle
basketball

このように複合語はハイフンを使う場合と使わない場合があります。時間の経過と共にopen compoundsはhyphenated compoundに、hyphenated compoundはclosed compoundに変わる傾向があります。例えば、「政策決定者」という意味のdecision makerはdecision-makerと書くことが多いですが、最近ではdecisionmakerと書いても間違いとされません。e-mailもemailと書いてかまいません。

ハイフンを使った複合語(hyphenated compound)には複合名詞、複合動詞、複合形容詞の3種類があります。

複合名詞 (compound noun)
self-esteem 自尊心
sister-in-law 義理の姉[妹]
commander-in-chief 最高司令官

複合動詞 (compound verb)
double-check ダブルチェックする
baby-sit 子どもの世話をする
window-shop ウィンドウショッピングをする

複合形容詞 (compound adjective)
family-owned business 家族経営の
a twenty-five-year-old woman 25歳の
part-time job パートタイムの

すでに述べたように、複合語はハイフンがつくこともつかないこともあります。特に2点に注意してください。第1に確立された慣用法に従うことです。「通行人」を意味するpasser-byはpasserbyとしてもかまいませんが、passer byと表記するのは間違いです。どの表記が慣用的なのかわからなかったら必ず辞書で確認してください。
第2に複合形容詞はハイフンをつけることで意味が変わらないか注意してください。ハイフンをつけるかつけないかで意味が全く変わることがあるので注意してください。以下、ウィキペディアに載っていた例です。

disease causing poor nutrition 栄養不足を起こす病気
disease-causing poor nutrition 病気を起こす栄養不足

man eating shark サメの肉を食べる人
man-eating shark 人を食べるサメ

three-hundred-year-old trees 樹齢300年の木
three hundred-year-old trees 樹齢100年の3本の木
three hundred year-old trees 樹齢1年の300本の木

また、ハイフンをつけることで意味が変わる単語もあります。

recover 回復する
re-cover ~を張り替える

以下、複合語でのハイフンのつけ方に関する注意事項です。

接頭辞におけるハイフン・ルール

接頭辞はun-Britishのようにハイフンがつく場合とunhappyのようにハイフンがつかない場合があります。接頭辞の後にハイフンがつくかどうかは多分に慣習的なものなので1つずつ覚えていくしかありませんが、ある程度のルールはあります。

①接頭辞all-, ex-, quasi-, self-にはハイフンをつける

all-American swimmer 全米代表の水泳選手
all-boy school 男子校
ex-wife 前妻
ex-president 前大統領
quasi-experimental design 準実験的研究
self-activity 自発的な活動

②以下の接頭辞にはハイフンをつけないことが多い。anti-, co-, de-, inter-, intra-, multi-, non-, para-, re-, semi-, super-

anticommunism 反共産主義
cooperation 協力
dehumidify 除湿する
international 国際的な
intramural 校内の、学内だけの
multinational 多国籍の
nonpayment 不払い
paramedical 医師を補助する医療従事者
regenerate ~を再び作る
semiautomatic 半自動式の
supercomputer スーパーコンピューター

③後の単語が大文字から始まる場合はハイフンをつける

anti-American 反米の
de-Stalinization 非スターリン化
post-Napoleonic Europe ナポレオン後のヨーロッパ
un-Japanese 日本的でない

④後の単語が数字から始まる場合はハイフンをつける

post-9/9 paranoia 9.11後のパラノイア
pre-20th century literature 20以前の文学

1文字を単語を足すとき

T-shirt Tシャツ
X-ray X線

ただしe-mailは最近ではハイフンを外してemailと書くのが主流です。

地名をつなげるとき

Bosnia-Herzegovina ボスニアヘルツェゴビナ

数字が複合形容詞の一部のとき

40-hour working week 週40時間労働
Men’s 800-Meter World Records 男子800メートル世界記録

21から99までのアルファベット数字名(20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90は除く)

twenty-one
forty-seven
ninety-nine

名詞の前の形容詞としての年齢

a seventy-year-old female high-school student 70歳の女子高校生

※yearを複数形にするとハイフンをつけてはいけないので注意しましょう
She is seventy years old.

アルファベットで記した分数と単位

two-thirds majority 3分の2の多数
a 5-kilogram dumbbell 5キロのダンベル

複合語でハイフンをつけてはいけない場合

英語は簡潔さを好むため、ハイフンをつける必要がない場合は、つけてもつけなくてもよいと考えるのではなく、ハイフンをつけないようにしましょう。

よく知られている複合語

複合語がよく知られている場合はハイフンをつけなくてかまいません。例えばjunior high-school studentをjunior high school studentと書いてもまったく問題ありません。

-lyで終わる副詞

「副詞+形容詞+名詞」の場合、副詞が次の形容詞を修飾しているのが明確なため、形容詞の前の単語が-lyで終わる場合、ハイフンをつけません。

environmentally friendly companies 環境にやさしい会社   
× environmentally-friendly companies
a badly written report 下手なレポート
× a badly-written paper
a quickly moving vehicle 早く動く乗り物  
× a quickly-moving vehicle

名詞が形容詞の前ではなく後にくるとき

little-known facts ➡ the facts are little known 事実はほとんど知られていない
a well-respected politician ➡ a politician that is well respected とても尊敬されている政治家
the chocolate-covered raisins ➡ the raisins are chocolate covered レーズンはチョコレートでくるんでいる
family-owned business ➡ business is family owned ビジネスは家族経営である

固有名詞

the United States  
× the United-States
the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
× the United-Kingdom of Great-Britain and Northern-Ireland

化学用語

carbon monoxide detector 一酸化炭素検知器  
× carbon-monoxide detector
sodium chloride crystal 塩化ナトリウム結晶
×sodium-chloride crystal

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