英語表現

午前と午後の英語│ 深夜0時01分が0:01 AMではなく12:01 AMなのはなぜ?

福岡県ではテレ朝系の九州朝日放送で、平日深夜の0時15分から約1時間「ドォーモ」というバラエティ番組が放映されています。この「0時15分」は英語では何と言うでしょうか? 多くの人が0:15AMと思っているようです。しかし、それは間違いです。0:15 AMという時間は存在しません。midnightの15分後は 0:15 AM ではなく、12:15 AMとなります。midnightは日本語で「午前零時」と言いますが、英語で0:00 AMとは言いません。midnightは12:00 AMです。midnightの1分後は0:01 AMではなく12:01 AMです。midnightの59分後は12:59 AMです。ではmidnightの1時間後は? 答えは1:00 AMです。数字が減ってしまいました。不自然に感じるかもしれませんが、アメリカではちっとも不自然なこととされていません。逆にIt’s zero fifteen a.m. now.と言うと笑われます。

日本語の午前と午後

1日の時間はnoonとmidnightを区切りに2つに分ける12時間制か、2つに分けない24時間制のどちらかで計測されます。日本では「午前」と「午後」、英米圏諸国ではa.m.とp.m.という表示が使われる、主として12時間制が利用されていますが、実は世界的にみると12時間制を採用している国は少数にとどまります。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、インド、パキスタン、マレーシア、バングラデシュ、メキシコ、エジプトなどが12時間制の国です。他の国はもっぱら24時間制か、日常会話では12時間制を使っても公式文書では24時間制で表記しないといけない国ばかりです。日本は24時間制でもオーケーですが、基本12時間制という国です。日本では正子(しょうし)と正午を境界に「午前」と「午後」を区別します。「正子」は英語ではmidnight、「正午」はnoonです。「子」は「子の刻(ねのこく)」、「午」は「午の刻(うまのこく)」から来ています。正子から正午までが「午前」、正午から正子までを「午後」と言います。では「正午」は何時なのでしょうか? 午前12時? 午後12時? それとも午後0時?

法律的には「午前12時」が正解だそうです。明治5年11月9日の太陽暦導入を宣言した「太政官達(だじょうかんたっし)第337号」で時刻の呼び方について通達がなされていますが、そこに「午刻」(正午のこと)は「午前十二時」と表記されています。午前が始まった12時間後が正午だから「午前12時」と言っても特に問題はなさそうですが、そうなると正午から午後1時までの時間の表記がわかりにくくなります。正午から20分後を午後なのに「午前12時20分」と言わざるを得なくなるからです。それに対し、多くのデジタル時計は正午は「午後12時」と表記しています。こちらだと正午からその十二時間後まですべて「正午」となるから一見わかりやすそうですが、正午から1時間後までが「12:〇〇」で「正午一時」からが数字が減って「1:〇〇」となってしまいます。なぜデジタル時計でそういう表記になったかと言うと、アナログ時計の文字盤は12から始まって0がないためだからだそうです。そうなると「正午」は「午後0時」と言うのが一番わかりやすそうです。実際、テレビやラジオではそう言っています。正午30分後は「午前12時半」よりも「午後12時半」よりも「午後0時半」と言うのがお勧めです。前者2つだと深夜の正子30分後と勘違いする人が出てくるかもしれないからです。「正子」については「太政官達 第337号」では「午前0時」、「午後12時」のどちらでも良いことになっています。となると、こちらは深く考えることもなく、midnightは「午前0時」で良さそうです。

日本語での時刻の読み方はこれでオーケー。ただしこれをそのまま英語に当てはめようとすると問題が生じます。日本語の「午前」にあたるAMと「午後」にあたるPMには0時台が存在しないからです。「午後0時30分」を0:30PMと言ったらネイティブに笑われてしまいます。なんで笑われるとまで言えるのかというと、わたし自身がそう言って、アメリカ人の先生に笑われた経験がありますからです-_-;

では英語では何と言えばいいのでしょうか?

英語のAMとPM

日本語の「午前」と「午後」に相当する英語がAMとPMです。

A.M. P.M.
a.m. p.m.
am pm

とも書けますが、どれが正しいでしょうか?

ツイッター等のSNSではどれでもかまいませんが、The Chicago Manual of Style, the AP Stylebook, the MLA Style Manualらのスタイルブックではa.m. p.m.が勧められているので、きちんとした英語を書く場合はa.m. p.m. と書きましょう。「午後5時」は

5 p.m. もしくは 5:00 p.m.

です。数字とa.m./p.m.の間にスペースを置くことも忘れずに。日本語では「午前」「午後」が最初に来るので AMやPMを前において PM 5:00 と書く人がいますが英語的には完璧に間違いです。

大文字で書くときはスモールキャピタル(small capital)で書くのが望ましいとされています。スモールキャピタルは直訳すると「小さな大文字」、つまり小文字と同じ高さにした大文字のことを言います。しかし、いちいちスモールキャピタルにするのも面倒なのでそのまま書く人も多いようです。しかし、それはよくないと考えるネイティブも多いので、a.m./p.m. と書くのが一番無難です。

a.m.とp.m.はante meridiemとpost meridiemの略称です。meridiemはmidday、つまり「正午」を意味します。anteは「前」、postは「後」を意味するので、a.m. は「正午の前(before noon)」、p.m. は「正午の後(after noon)」という意味です。

英語でa.m./p.m.表記をする時に一番気をつけないといけないのは英語には「0時台」というのが存在しないということです。midnightの1分後は 00:01 a.m. ではなくて、

12:01 a.m.

noonの20分後は 00:20 p.m. ではなくて、

12:20 p.m.

となります。つまり、正午の59分後から60分後は

12:59 p.m. ➡ 01:00 p.m

というように時間は進んでいるのに時刻の数字は小さくなります。違和感感じまくりなのですが、そこはアナログ時計を見ながら時刻を言っている自分をイメージしてこの言い方に慣れましょう。アナログ時計のてっぺんは0ではなく12となっていますよね。アナログ時計風に時刻を数えるとアメリカ風になります。

では問題。「正子」と「正午」はAM/PM表記ではどう書くでしょうか。ここまで読まれた方は

12:00 a.m.

12:00 p.m.

と書いてくれるでしょうが、実はネイティブの中にはこの表記に文句を言っている人がいます。なぜかと言うと、a.m.のaは「前」という意味のante、p.m.のpは「後」という意味のpostの略称ですが、「正子」と「正午」は12:00 きっかりなので「前」でも「後」でもなくなるからです。そこでそれぞれ

12 midnight

12 noon

と書くべきという人がいますが、その主張はほとんど通っておらず、慣行的に12:00 a.m./12:00 p.m.という書き方が認められています。手っ取り早い対策は、「正子」と「正午」の時だけ数字を使わずに、midnightとnoonと言うことです。これで問題がなくなります。

midnight

noon

こんな感じでAMとPMを使って時間表記をする時は日本語感覚でしないように気をつけてください。

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