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英語の倒置の8つのパターン

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象とした記事です。

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受講生は『表現のための実践ロイヤル英文法』
第23章第1節 倒置(pp.554-6)
を必ず読んでください。

「倒置」が苦手な受験生は多いかと思います。実は私も苦手です。私の英語の専門は学術英語なのですが、学術論文で倒置が使われることは少ないし、全く使わなくてかまいません。だからわたし自身も倒置を使った文章に書き慣れていません。とは言うものの、英語の本を読んでいたらしょっちゅう倒置を使った文に出会うし、一度体系的に学びなおした方が良いと思い、倒置の8つのパターンについてまとめてみました。

目次

英語の倒置とは何か?

英語はロシア語や日本語と異なり、文における単語の並べ方が非常に厳密です。だから英文は基本的に5文型(SV, SVC, SVO, SVOO, SVOC)のいずれかの並び方に準じます(S=主語, V=動詞, O=目的語, C=補語)。しかし、修辞的効果を狙ってこの5文型が壊されることがあります。この通常の語順を変更させることを倒置(inversion)と言います。つまり倒置とは、5文型ルールを逸脱することで伝えたい言葉を印象づける用法です。倒置によってある語句が文頭に来ると、その後の主語と動詞の順が逆になります。また、助動詞がついている場合は「助動詞+主語+動詞の原形」の順になります。例えば、「まったくない」ことを強調して
I have never seen such a beautiful woman like Suzu Hirose.
を倒置すると、
Never have I seen such a beautiful woman like Suzu Hirose.
(広瀬すずのような美人は見たことがない。)
となります。

英語の倒置には必ず倒置されるものと、表現上の効果を狙って通常の形から逸脱されて倒置されるものの2種類があります。前者は皆さんが中学の時に習った以下の5つです。

疑問文
Are you Suzu-chan?
(あなたはすずちゃんですか。)
Who is she?
(彼女は誰ですか。)
Does Suzu-chan love you?
(すずちゃんはあなたを愛していますか?)
Can you play the guitar?
(あなたはギターを弾けますか?)

直接話法で被伝達部が伝達部の後にくる場合
“When do you go to bed?” asked Suzu.
(すずは「いつ寝るの?」と尋ねた。)
※伝達部(ダブルクオーテーションの箇所)が後に来ると、
Suzu asked, “When do you go to bed?”
となりますが、伝達部が先に来ると、Suzu askedが倒置されて、asked Suzuになっています。「話法」がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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感嘆文
How cute Suzu-chan is!
(すずちゃんはなんて可愛いんだ。)
Suzu-chan is cute. が倒置されて、補語のcuteがhowといっしょに文頭に出ています。
What a beautiful voice Suzu-chan has!
(すずちゃんの声はなんて美しいんでしょう。)
Suzu-chan has a beautiful voice. が倒置されて目的語のa beautiful voiceがwhatといっしょに文頭に出ています。

祈願文
May God bless you!
(あなたに神のご加護がありますように。)
※「May+主語+動詞…!」の形で表されています。

There is構文
There are baseballs in this box.
(この箱には野球のボールがある。)
※thereが最初に来て、主語のbaseballsと動詞のareが倒置されています。

これら5つの倒置は比較的簡単に習得できます。倒置された形が常態なので変則形として学ぶ必要がないからです。だからこれらは英文法書でも『倒置』の章には載っていません。倒置が難しいのは倒置しなくても書ける文が時に倒置されるからです。では、そのような倒置はどんなときに起きるのでしょうか。倒置が起こるのは以下の8つです。

①否定の副詞・副詞句・副詞節
②場所や方向を表す副詞・副詞句・副詞節
③程度を表す副詞・副詞句・副詞節
④補語
⑤否定語を伴う目的語
⑥so, neither, nor
⑦接続詞のasやthanが使われた構文
⑧仮定法のifの省略

以下、各項目を見てみます。

否定の副詞語句が文頭に置かれた場合

否定の意味を持つ副詞・副詞句・副詞節が文頭に置かれると、その後の主語と述語動詞は倒置され疑問形の形になります。「疑問形の形になる」というのは要するにdo, does, didが使われるということです。副詞never (決して~ない)が文頭に来た例を見てみます。

be動詞の場合
Never is Morocco more attractive than it is between March and May.
(モロッコは3月から5月の間ほど魅力的なことはありません。)
→Morocco is never more attractive than it is between March and May.

助動詞がある場合
Never a single fish could I catch.
(魚は1匹も釣れなかった。)
→I could not catch a single fish.

現在形の一般動詞の場合
Never does Suzu-chan go out with him.
(すずちゃんは絶対に彼とデートしない。)
→Suzu-chan never go out with him.

過去形の一般動詞の場合
Never did I dream that I would go out with Suzu-chan.
(すずちゃんとデートするなんて夢にも思わなかった。)
→I never dreamed that I would go out with Suzu-chan.

完了形の動詞の場合
Never in my life have I been to Nakasu.
(生まれてこの方、中州に行ったことは一度もない。)
→I have never been to Nakasu in my life.

否定の副詞語句には以下のようなものがあります。

not ~でない

「Not+名詞」の形で倒置の文を作れます。

Not a single woman could I pick up.
(1人の女性もナンパできなかった。)
→I could not pick up a single woman.

Not a single word did Suzu-chan say.
(すずちゃんは一言も話さなかった。)
→Suzu-chan did not say a single word.

never 決して~ない

neverはnotを強調した形で、「決して~ない」、「絶対に~ない」という意味で使われます。

Never have I seen such beautiful boobs.
(こんなに美しいおっぱいを見たことは一度もない。)
→I have never seen such beautiful boobs.

rarely; seldom; hardly めったに~ない、ほとんど~ない

rarely、seldom、hardlyのいずれかが文頭に来て、「めったに~ない」、「ほとんど~ない」という意味の倒置の文を作ります。これら3つの副詞は同義語と考えてかまいません。

Rarely does Suzu-chan call me.
(すずちゃんはめったに私に電話をしない。)
→Suzu-chan rarely call me.

Seldom have I seen a beautiful woman like Suzu Hirose.
(広瀬すずのような美人をめったに見たことがないです。)
→I have seldom seen such a beautiful woman like Suzu Hirose.

Hardly can I remember his face.
(彼の顔をほとんど覚えていない。)
→I can hardly remember his face.

little ほとんど~ない、まったく~ない

littleは「ほとんど~ない」という意味でhardlyとほぼ同義で使われることが多いですが、「まったく~ない」(not at all)という意味で用いられることもあるので注意が必要です。

Little did I think that I would ever go out with Suzu-chan.
(すずちゃんと付き合うなんて思ってもみなかった。)
→I little thought that I would ever go out with Suzu-chan.

Little did I dream that I could run 100 meters in 9.2 seconds.
(100メートルを9.2秒で走れるなんて夢にも思わなかった。)
→I little dreamed that I could run 100 meters in 9.2 seconds.

only ~だけしかない

「~だけしかない」という意味のonlyは否定の副詞として扱われ、onlyを含む副詞句と副詞節が文頭に出て倒置が起きます。まずは副詞句として用いられている文頭only。

Only once did I see him cry.
(私は一度だけ彼が泣くのを見た。)
→I saw him cry only once.

Only this morning did I finish the painting.
(今朝になってやって絵を描き終えた。)
→I finished the painting only this morning.

Only then did I realize that he had been lying to me all the while.
(その時になって初めて、彼がずっと私に嘘をついていたことに気づいた。)
→I realized only then that he had been lying to me all the while.

次は副詞句のonlyが文頭に出ている例。

only after ~して初めて

Only after you finish your homework can you play video games.
(宿題が終わって初めて、テレビゲームをすることができる。)
→You can play video games only after you finish your homework.

only if ~の場合に限り

Only if you finish your homework can you watch TV.
(宿題が終わって初めてテレビを見ることができる。)
→You can watch TV only if you finish your homework.

only when ~な時にだけ、~してようやく

Only when it started to get light did I relax enough to sleep.
(明るくなり始めてから、十分にリラックスして眠ることができました。)
→I relaxed enough to sleep only when it started to get light.

at no time 決して~ない(=never)

At no time did Suzu Hirose mention her private life.
(広瀬すずが自分の私生活のことを一度も口にしなかった。)

by no means 決して~ない(=never)

By no means can I consider myself a die-hard NFL fan.
(決して、私が筋金入りのNFLファンだとは思っていません。)

in no circumstances いかなることがあっても~ない

In no circumstances must you forget to lock the door.
(どんなことがあっても、ドアに鍵をかけるのを忘れてはいけません。)
=You must forget to lock the door in no circumstances.
=You must not forget to lock the door in any circumstances.

not only A but (also) B AだけでなくBも

「AだけでなくBも」という意味の「not only A but (also) B」という構文が文頭に出て倒置されることがあります。

Not only is she a cheerleader but also a Kyogi Karuta player.
(彼女はチアリーダーであるだけでなく、競技かるたの選手でもある。)
→She is not only a cheerleader but also a Kyogi Karuta player.

Not only does he teach English, but he also manages the school choir and the debating club.
(彼は英語を教えるだけでなく、学校の聖歌隊やディベートクラブの運営も行っています。)
→He does not only teach English, but also manages the school choir and the debating club.

no sooner A than B Aするや否やB

「AするとすぐにB」という意味のno sooner A than Bは倒置の形でよく使われます。ただしかなり文語調です。

No sooner had he heard the news than he rushed home. 
(彼はその知らせを聞くや否や、家に急いで帰った。)
→He had no sooner heard the news than he rushed home.

not until A Aして初めて

直訳するとnot until Aは「Aまで~ない」という意味ですが、「Aして初めて~する」という意味で覚えるとよいです。

Not until I studied abroad in Shanhai, did I realize that I wanted to be an elementary school teacher.
(上海に留学して初めて、自分が小学校の先生になりたいことがわかった。)
→I did not realize that I wanted to be an elementary school teacher until I studied abroad in Shanhai.

Not until today did I find that Suzu-chan was the most beautiful actress in Japan.
(今日になって初めて、すずちゃんが日本で一番美しい女優だとわかった。)
→I did not find that Suzu-chan was the most beautiful actress in Japan until today.

場所や方向を表す副詞語句が文頭に置かれた場合

場所(here, thereなど)や方向(up, downなど)を表す副詞が文頭に置かれると倒置が起こります。
例: Here comes the bus. ほら、バスが来るよ。
→The bus comes here.

ただし、先に述べた「否定の副詞語句が文頭に置かれた場合」の倒置とは2点で異なるので注意が必要です。

「否定の副詞語句が文頭に置かれた場合」の倒置では疑問形の形になりますが、「場所や方向を表す副詞語句が文頭に置かれた場合」の倒置は単に「主語+動詞」が「動詞+主語」の順に変わるだけです。この違いに注意してください。「疑問形の形にならない」というのは要するにdo, does, didが使われないということです。例えば、I never dreamed that I would go out with Suzu-chan. を倒置すると、疑問形の形になり、Never did I dream that I would go out with Suzu-chan. となりますが(Never dreamed I that I would go out with Suzu-chan. とはならない)、The teacher comes here. の倒置は、Here comes the teacher. となります(Here does the teacher come. とはならない)。

主語が人称代名詞(I, you, he, she, it, we, they)の場合は、場所や方向を表す副詞語句が文頭に置かれても倒置は起きない。例えば、「ほら、すずちゃんがやってきた」は Here comes Suzu-chan. となり倒置が生じますが、「ほら、彼女がやってきた」だと Here she comes. となり倒置が起きません。

では、代表的な「場所や方向を表す副詞語句」の例を見てみます。

here ここに

Here comes the bus.
(ほら、バスが来るよ。)
→The bus comes here.

there そこに

There goes the bell.
(ほら、鐘が鳴っているよ。)

down 下に

Down came the snow and made the spider freeze. 
(雪が降り、クモは凍えた。)
→The snow came down and made the spider freeze.

up 上に

Up in the air went the balloon.
(空高く風船は飛んで行った。)
→The balloon went up in the air.

in ~の中に

In my pocket was his condom.
(ポケットに彼のコンドームが入っていた。)
His condom was in my pocket.

into ~の中に

Into the woods ran the rabbit.
(森の中にうさぎが走っていった。)
→The rabbit ran into the woods.

on ~に接して

On the table was her purse.
(テーブルの上に彼女の財布があった。)
→Her purse was on the table.

out 外へ

Out went the lady with the alligator purse.
(ワニの財布を持った女性が出て行った。)
→The lady with the alligator purse went out.

out of ~から

Out of the house came a freckly girl with long, messy hair.
(家から長いぼさぼさの髪のそばかすだらけの少女が出てきた。)
→A freckly girl with long, messy hair came out of the house.

away 離れて

Away went the heavy coats, hats, scarves, and gloves. 
(重いコート、帽子、スカーフ、手袋がどこかへ行ってしまった。)
→The heavy coats, hats, scarves, and gloves went away.

behind ~の後ろに

Behind the door was my girlfriend, Suzu-chan.
(ドアの向こうにはガールフレンドのすずちゃんがいた。)
→My girlfriend, Suzu-chan was behind the door.

under ~の下に

Under the table was my cell phone.
(テーブルの下には私の携帯電話があった。)
→My cell phone was under the table.

near ~のそばに

Near my house is the strip theater.
(私の家の近くにはストリップ劇場がある。)
→The strip theater is near my house.

at the top of ~の頂上に

At the top of the hill stood the statue of Buddha.
(丘の頂上には仏像が立っていた。)
→The statue of Buddha stood at the top of the hill.

程度を表す副詞が文頭に置かれた場合

so, such, wellという程度を表す副詞が文頭に置かれると、その後の主語と述語動詞は倒置され疑問形の形になります

so とても、非常に

「…するほど~である」という意味の「so ~ that…」構文の「so+形容詞or副詞」が文頭に置かれると、その後の主語と述語動詞が倒置されます。

So beautiful was she that I fell in love immediately.
(彼女はとても美しかったので私はすぐに恋に落ちた。)
→She was so beautiful that I fell in love immediately.

So strong was the wind that we couldn’t open the window. 
(風が強くて窓を開けることができなかった。)
→The wind was so strong that we couldn’t open the window.

such とても、非常に

「such that…」のsuchが文頭に置かれると、その後の主語と述語動詞が倒置されます。

Such was his devotion to Suzu Hirose that he would defend her even against slight criticism.
(広瀬すずへの思い入れが強かったため、些細な批判に対しても彼女を弁護した。)
→His devotion to Suzu Hirose was such that he would defend her even against slight criticism.

well よく

Well do I remember the first day we met. 
(私たちが初めて会った日のことをよく覚えている。)
→I remember the first day we met well.

補語が文頭に置かれた場合

第2文型の補語が文頭に来ると、その後の主語と述語動詞は倒置され、「S+V+C」は「C+V+S」の順になります。「場所や方向を表す副詞語句が文頭に置かれた場合」と同じく、疑問形の形にはならないのでdo, does, didは使われません。また、主語が代名詞の場合は倒置は起こりません。

Happy are those who hear the word of God and observe it.
(神の言葉を聞き、それを守る者は幸せである。)
→Those who hear the word of God and observe it are happy.

Lucky are the ones who have the same friend in all stages of life.
(人生のすべての段階で同じ友達がいる人は幸運だ。)
→The ones who have the same friend in all stages of life are lucky.

Faint grew the sound of the train.
(列車の音がかすかになった。)
→The sound of the train grew faint.

第2文型の文が倒置される一番の理由は主語の長い頭でっかちの文を避けるためです。修飾語句がついて主語が長くなりすぎると倒置の文が好まれます。

否定語を伴う目的語が文頭に置かれた場合

否定語を伴う目的語が文頭に置かれると倒置が起き、その後の主語と述語動詞は倒置され疑問形の形になります。否定語を伴わないと目的語が文頭に出ても倒置は生じません。

Nothing have I. 私は何も持っていない(=I have nothing.)
Something I have. 私は何か持っている(=I have something.)

no

No money was provided to hire additional workers.
(労働者を追加雇用するための資金は提供されなかった。)

Before 1918 no women were allowed to vote in parliamentary elections. 
(1918年以前は議会選挙で女性の投票は認められていなかった。)

not

Not a word did he speak in his own defense.
(彼は一言も弁解しなかった。)

Not a single person could escape those scintillating, purple eyes.
(そのきらめく紫の瞳から逃れることができる者は一人もいなかった。)

nothing

Nothing could we hear in the balcony.
(ベランダからは何も聞こえなかった。)

only

Only a few persons did what no one could imagine. 
(誰も想像できないようなことをしたのは、ごく一部の人だけでした。)

so, neither, norによる倒置

直前の文で述べられた内容について、soを文頭に置いて「~もそうだ」、neitherもしくはnorを文頭に置いて「~もまたそうでない」と言うと倒置が起こり、疑問形の形になります。

so+動詞+主語:「Sもまたそうだ」
neither[nor]+動詞+主語:「Sもまたそうでない」

neitherよりもnorの方が多少口語的ですが、neitherも日常会話で使えます。また、neitherは副詞ですが、norは接続詞であることにも注意してください。

so

“I’m Suzuchan’s boyfriend.” “So am I.”
(「私はすずちゃんの彼氏なんだよ。」「私もだよ。」)
So am I. Me too. もしくは I am, too. と言うこともできます。

“I was born in Shizuoka Prefecture.” “So was I.”
(「私は静岡県で生まれました。」「私もそうです。」)
So was I. Me too. もしくは I was, too. と言うこともできます。

I belong to the Kyogi Karuta club, and so does Chihaya Ayase.
(私は競技かるた部に所属していて、綾瀬千早もそうだ。)

nor

“I can’t speak Swahili.” “Nor can I.”
(「スワヒリ語は話せません。」「私もです。)

“I don’t like Takeshi’s movies.” “Nor do I.”
(たけしの映画は好きじゃないんだよな。」「私もです。」)
→Me, neither.

Not once did I say I like Alice, nor have I ever said I like Suzu, because I don’t.
(僕は一度もアリスが好きだと言ったことはないし、好きじゃないからすずが好きだと言ったこともない。)

neither

“I’m not an Okinawan.” “Neither am I.”
(「俺、沖縄県民じゃないよ。」「僕も違うよ。)

People have no idea what will insult who, and neither do they care.
(何が誰を侮辱するかなんて、人にはわからないし、気にもしていない。)

neitherの代わりにnorを使うと、この文は
People have no idea what will insult who, nor do they care.
となります。neitherは副詞なので前の文と続ける場合は接続詞のandを加えないといけませんが、norは接続詞なので接続詞を2つ続けてand nor…とすることはできません。

Not once did I say I like Alice, and neither have I ever said I like Suzu, because I don’t.
(僕は一度もアリスが好きだと言ったことはないし、好きじゃないからすずが好きだと言ったこともない。)
→norではなく副詞neitherを使うとその前にandを置く必要が出てきます。

譲歩の構文

譲歩の意味の構文で倒置が生じることがあります。英語の文法書に出てくる譲歩は、「~したのだけども、実際は~でない」という意味を表します。これには
①形容詞[副詞]+as[though]+主語+動詞
②動詞+as[what]+主語+助動詞
の2つのパターンがあります。

形容詞[副詞]+as[though]+主語+動詞

Tired as he was, he had to stay up late working on the project.
(彼は疲れていたが、夜更かししてプロジェクトに取り組まなければならなかった。)

「~だけれども」という意味で、形容詞もしくは副詞が文頭に出され、asもしくはthoughが続くことがあります(thoughよりもasが使われることの方が圧倒的に多いです)。この倒置は疑問文の語順にしないのでas [though]以下は「主語+動詞」の語順になります。また、文頭の形容詞[副詞]の前にasがつき、「As+形容詞[副詞]+as[though]+主語+動詞]という形になることもあります。

As tired as he was, he had to stay up late working on the project.
(彼は疲れていたが、夜更かししてプロジェクトに取り組まなければならなかった。)

元々はBeing as tired as he was…という分詞構文の文だったのが、Beingが省略され、さらに最初のasが省略されて、Tired as he was…という形になっています。この分詞構文の文では常に譲歩の意味になるとは限りません。Being as tired as he was, he went to bed early. だと「疲れていたので、早く寝た」という「理由」の意味になります。だから、Tired as he was, he went to bed early. も「譲歩」ではなく、「理由」の意味になります。以下、この構文を使った譲歩の意味の例文をいくつか紹介します。

Young as she is, she is so worldly.
(彼女は若いが、世慣れている。)

Dark as it was, we managed to find our way back to our tent.
(暗かったが、我々はどうにかテントまでたどり着いた。)

Strange as it may seem, exercising gives you energy, wakes you up, makes you feel like doing things.
(奇妙に思われるかもしれないが、運動することはあなたにエネルギーを与え、あなたを目覚めさせ、何かをする気にさせます。)

Unbelievable as it may sound, many of today’s Japanese nationalists are nostalgic for the prewar Japan as a symbol of Japan’s greatness. 
(信じられないかもしれませんが、今の日本のナショナリストの多くは、日本の偉大さの象徴として戦前の日本を懐かしんでいます。)

動詞+as [what]+主語+助動詞

主語と動詞が倒置されて、「動詞+as+主語+助動詞」もしくは「動詞+what+主語+助動詞」の形で譲歩の意味の構文を作れます。ただし文語調なので、通常のスピーキングやライティングではNo matter…や複合関係代名詞(whoever, whichever, whatever)を使うことをお勧めします。

Try as she would, she hadn’t been able to stop thinking about him.
(どんなに試みてみても、彼女は彼のことを考えずにはいられなかった。)
No matter how much she tried, she hadn’t been able to stop thinking about him.

Say what he will, she would do as she pleased.
(彼が何を言おうと、彼女は自分の好きなようにするだろう。)
→No matter what he says, she would do as she pleased.
→Whatever he says, she would do as she pleased.

仮定法でifを省略するとき

「もし~だったら」という意味の仮定法の条件文でwere, had, shouldが使われている場合、主語と(助)動詞を逆にしてifを省いた形にすることができます。要点は以下の2つです。

①ifの省略によって倒置できるのは以下の3パターンのみ。if節の中に
– wereがある時
– had+過去分詞がある時
– shouldがある時

②書き換えは、
– ifを消す
– 主語と動詞の順序を入れ替える
だけでオーケー。

この原則は直接法の文には当てはまりません。仮定法と直接法のちがいがよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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仮定法の倒置は文章の語数を減らしてシンプルにするためによく用いられます。以下、were, had, shouldの倒置文をそれぞれ見てみます。

were

Were I you, I wouldn’t refuse her offer.
(私があなたなら、彼女の申し出を断らないわ。)
→If I were you, I wouldn’t refuse her offer.

Were you here, I would hug you.
(あなたがここにいたら抱きしめてあげるわ。)
→If you were here, I would hug you.

Were smarter, I could have emailed sexy photos from my phone to the throwaway email and then deleted them.
(私がもっと賢かったら、セクシーな写真を携帯電話から使い捨てメールに送って削除することもできただろう。)
→If I were smarter, I could have emailed sexy photos from my phone to the throwaway email and then deleted them.

Were I Japanese, I am sure my level of Chinese language proficiency would have been praised, but because I am Taiwanese, I am disrespected instead.
(私が日本人だったら、きっと中国語のレベルは褒められただろうが、私は台湾人なので、むしろバカにされています。)
→If I were Japanese, I am sure…

現在の事実に反する「もし~がなかったら」という意味の「If it were not for~」構文は、Were it not for~とよく倒置されます。

Were it not for her hard work, she could not pass the exam. 
(一生懸命勉強しなかったら、彼女は試験に合格できなかっただろう。)
→If it were not for her hard work, she could not pass the exam.

He’s going to die alone were it not for his loyal wife.
(忠実な妻がいなければ、彼は孤独に死ぬだろう。)
→He’s going to die alone if it were not for his loyal wife.

had

Had we known that, we would have told you.
(それを知っていたら教えたのに。)
→If we had known that, we would have told you.

Had I slept more, I would have been more productive.
(もっと寝ていたら、もっと生産性が上がったのに。)
→If I had slept more, I would have been more productive.

Had you said nothing to the police officer when the questioning started, you could not have been charged with these crimes.
(取り調べが始まった時に警察官に何も言わなかったら、これらの罪に問われることはなかったでしょう。)
→If you had said nothing to the police officer when the questioning started, you could not have been charged with these crimes.

過去の事実に反する「もし~がなかったら」という意味の「If it had not been for~」構文は、Had it not been for~とよく倒置されます。

Had it not been for your help, we would have carried baggage all day. 
(あなたの助けがなかったら、私たちは一日中荷物を運んでいただろう。)
➡If it had not been for your help, we would have carried baggage all day.

should

if節で使われるshouldは「万一~ならば」という意味で実現可能性が低いことを表します。絶対に起こりえないことの仮定には用いられません。

Should it rain tomorrow, I would have to cancel my plans.
(もし明日雨が降ったら、計画を変更せざるを得なくなる。)
→If it should rain tomorrow, I would have to cancel my plans.

Should you have further question, please do not hesitate to contact me.
(さらにご質問がございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。)
→If you should have further question, please do not hesitate to contact me.

Should you need to cancel the reservation, please do before 3 days on arrival date to avoid a cancellation charge. 
(万が一、予約のキャンセルが必要になった場合は、キャンセル料がかからないよう、到着日の3日前までにお願いします。)
→If you should need to cancel the reservation, please do before 3 days on arrival date to avoid a cancellation charge.

Should the ice in Antarctica melt completely, the world’s oceans would rise 60 meters, the height of a 12-story building. 
(もし南極の氷が完全に溶けたら、世界の海は60メートル上昇し、12階建てのビルの高さになる。)
→If the ice in Antarctica should melt completely, the world’s oceans would rise 60 meters, the height of a 12-story building.

これで倒置の説明は終わります。倒置の知識がなくても、英語は話せるのでつい倒置の習得はおろそかになりがちですが、英語ネイティブはよく倒置の文をよく書くのでリーディングで倒置の知識は必須です。しっかり皆さんも倒置をマスターしてください。

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