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【間接疑問文の3つのパターン】時制の一致と関係代名詞との違いに注目

疑問文が文の中に名詞節として組み込まれた文を間接疑問文と言います。 文中で名詞節として働くので文の主語・補語・目的語になります。間接疑問では「疑問詞+主語+述語」の語順になります。 間接疑問文は以下の3つのパターンを区別して考えると習得しやすくなります。 ①whatやwhyなどの疑問詞で始まる間接疑問、②接続詞whetherもしくはifで始まる間接疑問、③間接疑問が含まれる文自体が疑問文の場合。

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目次

間接疑問文とは何か?

直接疑問文と間接疑問文

疑問文には直接疑問文間接疑問文があります。疑問を直接問いかける文が直接疑問文です。

Are you stupid?
あんたバカなの?

Do you hate Japanese people?
あなたは日本人が嫌いですか?

Which girl is best?
どの娘が一番いい?

直接疑問文は文全体が疑問の形になっていますが、これに対して、疑問文が文の中に名詞節として組み込まれた文間接疑問文と言います。例えば、「あなたはどの娘がタイプですか?」は直接疑問文、「あなたはどの娘がタイプか教えてください。」は間接疑問文です。直接疑問文では最後にクエスチョン・マークがつきますが、間接疑問文では最後はピリオドで終わります。

名詞節としての間接疑問

間接疑問文は疑問文が文の中に名詞節として組み込まれた文と述べましたが、名詞節が何かピンとこない人は多いかと思います。

2つ以上の語のまとまりが1つの品詞と同じ働きをして、その中に「主語+動詞」があるものをと言います。節には名詞節形容詞節副詞節の3つがありますが、名詞節は文中で名詞の役割を果たします。名詞の役割を果たすというのはつまり、文の主語、目的語、補語になるということです。

名詞節を導く接続詞といえばthatです。接続詞thatの用法を再確認すると、間接疑問文の用法もわかってきます。

that節は「~が…する[である]ということ」という意味の名詞節を導き、文中で名詞の働きをして主語・補語・目的語になります。

①主語
That he is a prostitute doesn’t matter.
=It doesn’t matter that he is a prostitute. ←itはthat以下の仮主語です。
彼が男娼(だんしょう)だということは問題ではない。
【注】ほとんどの人がprostituteを「売春婦」という意味で覚えていますが、prostituteは「売春をする人」という意味なので、男女を問いません。

②補語
The problem is that she gets jealous easily.
問題は彼女がすぐ焼きもちを焼くことだ。

③動詞の目的語
I don’t think that she is attractive enough to become a whore.
私は彼女が売春婦になるほど魅力的だとは思わない。
【注】whoreは女性限定の売春をする人、つまり「売春婦」です。

④前置詞の目的語
I’ve been lucky in that I have never had to worry about money.
今までお金の心配をしたことがなくてよかった。
【注】that節はexcept that…とin that…という形でのみ前置詞の目的語になります。

間接疑問文も文中で名詞節として働くので文の主語・補語・目的語になります。間接疑問での一番の注意点は「疑問詞+主語+述語」の語順になることです。

①主語
When she broke up with her boyfriend is not known to us.
彼女がいつ彼氏と別れたのか私たちには分からない。

②補語
The problem is how I talk to her.
問題はどうやって彼女に話しかけるかだ。

③動詞の目的語
Do you want to know how I got into Tokyo University?
俺がどうやって東大に合格したか知りたい?
【注】このように間接疑問が含まれる文自体が疑問文の場合でも間接疑問の語順は「疑問詞+主語+述語」になります。

④前置詞の目的語
I wanna talk about how I got into Kitasenjyu University.
北千住大学に合格した経緯を話したいな。

疑問詞で始まる間接疑問

間接疑問文は以下の3つのパターンを区別して考えると習得しやすくなります。

─whatやwhyなどの疑問詞で始まる間接疑問
─接続詞whetherもしくはifで始まる間接疑問
─間接疑問が含まれる文自体が疑問文

まずはwhatやwhyなどの疑問詞で始まる間接疑問文の作り方を見てみます。

「疑問詞+主語+動詞」の形にする

文中に疑問詞what, when, where, why, howで始まる疑問文を組み込む場合、元の文がdo, does, didを含むときはそれを外して「疑問詞+主語+動詞」の形に直します。

What do you want?
➡Could you tell me what you want?
何が欲しいか言ってもらえますか?

When does she need a cell phone?
➡I don’t know when she needs a cell phone.
彼女がいつ携帯電話を必要とするのか私は知らない。

Why did she abandon him?
➡I don’t know why she abandoned him.
なぜ彼女が彼を見捨てたのかわからない。
※動詞の時制が過去形なのに注意。

文中に疑問詞what, when, where, why, howで始まる疑問文を組み込む時、元の文がbe動詞を含むときは「be動詞+主語」の語順を「主語+be動詞」に変えます。

What time is it?
➡Do you know what time it is?
今何時かわかりますか?

『耳をすませば』にもDo you know what time it is? というセリフが出てきますが、これは時間を尋ねているのではなく、反語的に使われています。日本語版でのセリフは「あなた、今何時だと思ってるの?」です。

Where am I?
➡I know where I am.
私がどこにいるかわかっている。

「ハウル! あたし今、ハウルの子供時代にいるんだ!」というソフィーのセリフは、英語版では「私は自分がどこにいるか知っている。」という意味のセリフがつけ加えられています。

文中に疑問詞what, when, where, why, howで始まる疑問文を組み込む時、元の文が助動詞を含む疑問文の場合「疑問詞+主語+助動詞+動詞の原形」の形になります。

Why can she get up at 5am every day?
➡I don’t know why she can get up at 5am every day.
なぜ彼女が毎日午前5時に起きられるのかわからない。

ちなみに疑問詞が主語の直接疑問文は元が「疑問詞+主語+動詞の原形」の形なので、それを間接疑問文にしても語順を変える必要はありません。

Who beat my sister?
➡I don’t know who beat my sister.
誰が妹を殴ったのかわからない。

What will happen next?
➡I don’t know what will happen next.
次に何が起こるかわからない。

間接疑問文における時制

間接疑問文では間接疑問の時制に気をつける必要があります。主節の動詞の時制が現在形の場合は簡単です。主節の時制とは関わりなく間接疑問の時制に従えばよいです。

現在(主節)+現在(従位節の間接疑問)

I cannot understand why she is always nasty to me.
なぜ彼女がいつも私に意地悪なのか理解できない。

両方とも現在時制の文です。

現在(主節)+過去(従位節の間接疑問)

I cannot understand why my mother beat me repeatedly with a ruler.
なぜ母が定規で何度も私を殴ったのか理解できない。
※「~を殴る」という意味のbeatはbeat-beat-beatenと活用変化する不規則動詞です。

このbeatは過去形です(現在形だとするとmy mother beats me…になります)。

過去(主節)+過去(従位節の間接疑問)

主節の動詞が過去形だと「時制の一致」の原則が働くのでややこしくなります。「時制の一致」がよくわからない人は下記の記事をお読みください。

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時制の一致の6つの原則と2つの例外パターン 複文の主節の動詞が過去時制の時には、名詞節の従位節の動詞もそれに合わせて過去の形にする、というルールを「時制の一致」と言います。「時制の一致」が適用されるのは「従位節が名詞節の複文」においてです。

主節の動詞が過去形になると、従位節の動詞も過去形になります。

I don’t know why he studies calculus every day.
➡I didn’t know why he studied calculus every day.
私は彼がなぜ毎日微積分を勉強するのか分からなかった。

過去(主節)+過去完了(従位節の間接疑問)

主節の動詞の時制が現在から過去に変わると、従位節の時制が過去の場合は過去完了に変わることで、従位節の時制が主節の時制よりも前のことを表わします。

I don’t know why she ran away with my father.
➡I didn’t know why she had run away with my father.
私はなぜ彼女が私の父と駆け落ちしたのかわからなかった。

接続詞ifもしくはwhetherで始まる間接疑問

ここでは接続詞whetherもしくはifで始まる間接疑問文の作り方を見てみます。

他動詞の目的語になる場合

「~かどうか」という意味の間接疑問では接続詞のifwhetherを用い、疑問詞で始まる間接疑問と同じように平叙文の語順になります。それが他動詞の目的語の場合、ifとwhetherのどちらを使ってもかまいません。

Is he a member of Astro Baseball Club?
➡I don’t know if he is a member of Astro Baseball Club.
➡I don’t know whether he is a member of Astro Baseball Club.
彼がアストロ球団のメンバーかどうかはわかりません。

Is this sex toy yours or hers?
➡I don’t know if this sex toy is yours or hers.
➡I don’t know whether this sex toy is yours or hers.
この大人のおもちゃがあなたのものなのか彼女のものなのかわかりません。

主語・補語・前置詞の目的語になる場合

「~かどうか」という意味でwhetherは主語・補語・他動詞と前置詞の目的語いずれにも使えますが、ifは他動詞の目的語となる節でしか使えません。

[主語の場合]
Whether he cheated on a test yesterday is not a major problem.
If he cheated on a test yesterday is not a major problem.
彼が昨日テストでカンニングをしたかどうかは大きな問題ではない。

[補語の場合]
The problem is whether he cheated on a test or not.
The problem is if he cheated on a test or not.
問題は彼が試験でカンニングをしたかどうかだ。

[前置詞の目的語の場合]
I’m not sure about whether he cheated on a test or not.
I’m not sure about if he cheated on a test or not.
彼が試験でカンニングをしたかどうか私にはわからない。

間接疑問が含まれる文自体が疑問文の場合

「~をどう思いますか」型の間接疑問文

間接疑問が含まれる文自体が疑問文で、「~が何だか知っていますか」のような、Yes/Noで答える質問の場合、疑問詞は文中にきます。

Do you understand what I’m talking about?
私の言っていることがわかりますか。

しかし、「~をどう思いますか」のような、Yes/Noで答える質問ではない場合、疑問詞を文の一番最初に置きます。DoやDoesから始めると、Yes/Noで答えないといけない疑問文になってしまうからです。

What do you think I saw in the backyard yesterday?
昨日私が裏庭で見たものは何だと思う?
×Do you think what I saw in the backyard yesterday?

What time do you think Sheeta will wake up?
シータは何時に起きると思う?
×Do you think what time Sheeta will wake up?

What kind of girl do you think is awesome?
どんな女の子が素敵だと思う?
×Do you think what kind of girl is awesome?

Why do you think she was in Tegoshi’s bed?
なぜ彼女は手越君のベットにいたと思う?
×Do you think why she was in Tegoshi’s bed?

ここではdo you thinkのフレーズの例文ばかり出しましたが、think以外にもbelieve, consider, expect, fear, guess, hope, imagine, say, suggest, suppose, tellといった動詞がこの形の英文でよく使われます。

I wonder…で始まる間接疑問文

間接疑問文の例文にやたらknowという動詞を用いましたが、know以外に間接疑問文でよく使われる動詞にはほかに、ask, learn, tell, remember, tell, understand, wonderがあります。「~かどうか思う」「~かしら」という意味のI wonder…という表現はよく使われるのでしっかりマスターしましょう。

ナウシカは「オウムの抜け殻(Ohmu shell)」についていた目を殻から外して持って帰ろうとします。ナウシカの「これひとつなら持って飛べるかな?」というセリフが、

I wonder if I could fly back home with this.
fly back home=飛んで家に戻る

と英訳されています。wonderは要するに自問自答するということです。「あれって何々かしら」って頭に浮かんだら、ネイティブには自然とI wonder…という文句が浮かんできます。次にif節が続いてI wonder if…だと、「~だろうか」という意味になります。この言い回しを自然と出せる日本人は意外と少ないようです。wonderの後は常にifとは限らないので、I wonder if…で覚えるよりも、なにか疑問が起きたら、I wonderとつい口に出すクセをつけると良いでしょう。I wonder which of these is your favorite book. (どちらの本があなたのお気に入りかしら)、I wonder where he went away. (彼はどこに行ったのだろう)などいろんな疑問詞をつけることができます。

『天空の城ラピュタ』でシータは誘拐されたことがあり、「さっきの男もその一人」とパズーに話すと、パズーは「何者だろう。軍隊と一緒にいるなんて。」とつぶやきます。

I wonder who that guy is and what he’s doing with the army.

次は『ハウルの動く城』でのソフィーのセリフです。

I wonder what Howl disguised himself as. Surely not a crow.
disguise oneself as A=Aの姿に変装する; surely=疑いなく、間違いなく; crow=カラス

疑問詞で始まる間接疑問の文は『この世界の片隅に』にもよく出てきます。興味のある方は下の記事をお読みください。

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疑問詞を関係詞と間違えないように気をつけよう

関係代名詞と疑問代名詞の区別

who, whose, whom, which, whatは疑問代名詞としてだけでなく、関係代名詞としても用いられるので、どちらの品詞なのかしっかり理解する必要があります。who, whose, whom, whichの場合は簡単です。先行詞があれば関係代名詞、そうでなければ疑問詞として用いられています。

Do you know who stole my notebook?
誰が私のノートを盗んだか知っていますか。
Do you know the man who stole my notebook?
私のノートを盗んだ男を知っていますか。

最初のwhoは疑問詞、後のwhoはthe manという先行詞があるので関係代名詞です。

わかりにくいのがwhatです。「~するところのもの」(the thing(s) that)を意味する関係代名詞のwhatはそれ自身の中に先行詞を含んでいるので、先行詞があるか否かで関係代名詞か疑問代名詞か区別することができません。そのため、文脈でどちらの用法か判断しないといけません。

Can you show me what you stole in my room?

このwhatは関係代名詞にも疑問代名詞にもとれます。関係代名詞だと「彼の部屋で盗んだものを見せてくれる?」、疑問代名詞だと「彼の部屋で何を盗んだか見せてくれる?」の意味になります。どちらの意味かは文脈で判断するしかありません。

関係副詞と疑問副詞の区別

when, where, why, howは疑問副詞としてだけでなく、関係副詞としても用いられるので、どちらの品詞なのかしっかり理解する必要があります。

I don’t know where he was raped.
彼がどこでレイプされたのか知らない。
This is where he was raped.
ここが彼がレイプされた場所だ。

最初のwhereは疑問詞、後のwhereは関係副詞です。一見すると2つのwhereは同じように見えて区別しづらいですが、後のwhereはその前にthe placeが省略された形です。だから後者は関係副詞であることがわかります。関係副詞がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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