英文法

助動詞must, have to, ought to

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象としたサブノートです。 テキストは旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』を使用。

36 must (pp.85-86)
37 have to (pp.87-88)
38 ought to (pp.88-89)

助動詞は動詞と結びついて意味を追加します。品詞については以下の記事を参照してください(すずちゃんをクリック!)。

must

mustは肯定文では「義務・必要」と「推量」、否定文では「禁止」を表わします。この3つの意味をしっかり覚えましょう。

義務・必要 「~しなければならない」

風の谷に墜落して今にも死にそうになっているラステルとナウシカの会話です。「あたしは…ペジテのラステル。積荷を… 積荷を燃やして。」「積荷?」「お願い 燃やして。」

“I am Lastel… Lastel of Pejite. You must… burn the cargo.” “The cargo?” “I beg of you, burn everything.”

cargoは「積み荷」、burnは「~を燃やす」、I beg of youは「お願いだから」 という意味です。「積荷を燃やして」を直訳するとCould you burn the cargo?となりますが、英文では「積み荷を燃やさなければならない」という意味になっています。

禁止 「~してはならない」

否定のmust notは「~してはならない」という「禁止」を意味します。

ナウシカが怒っています。「その森を焼こうというの?巨神兵なんか掘り起こすからいけないのよ!」

“You must not burn down the toxic jungle. You should have left the giant warrior beneath the earth.”

『風の谷のナウシカ』では「腐海」はtoxic jungle (「有毒なジャングル」という意味)、「巨神兵」はgiant warrior (「巨大な戦士)という意味)と訳されています。burn A downは「~を焼き尽くす」、過去形leftの原形leaveは「~をそのままにしておく」、beneath the earthは「地面の下に」という意味です。「~を焼こうというの?」が英文では「~を焼いてはいけない」という意味になってmust notが使われています。

勧誘 「ぜひ~しなさい」

『実践ロイヤル英文法』には、mustには「ぜひ~しなさい」という「勧誘」の意味があると説明されています。You must come and see us when you come to San Francisco. (サンフランシスコに来られたら、ぜひ家にもいらしてください)という例文が載っていますが、「義務・必要」(~しなければならない)とほとんど意味が変わりません。「義務・必要」の意味だと「サンフランシスコにきたら、うちにこなくちゃいけないよ」と訳せますが、「勧誘」の意味にも取れます。文脈によって「義務・必要」が「勧誘」っぽくなるという程度の差なので、「義務・必要」とは別に「勧誘」の意味を覚える必要は特にないです。

確信に近い推量 「~にちがいない」

『実践ロイヤル英文法』の「推量のmust」で「きっと~だろう、きっと~のはずだ」という意味が出ていますが、「~にちがいない」という意味を覚えることをお勧めします。この意味の否定の「~のはずがない」はmust notではなくcan’t/cannotになることに注意してください。must notだと「~してはいけない」という意味になります。

You cannot be a world-famous actor. あなたが世界的に有名な俳優のはずがない。

パズーのセリフです。「そうかあ。その時空にのぼればラピュタを見つけられるんだ。シータ、父さんはうそつきじゃなかったんだ!」

Wow! So that must mean Laputa’s over the mine right now! Listen, Sheeta, now I can prove that the legend is true!

mine=採掘坑、鉱山; over=~の上に; right now=ちょうど今; prove=~を証明する show that something is true; legend=古くからの言い伝え

That must mean Laputa’s over mine right now! は直訳すると「それは、ちょうど今ラピュタが鉱山の上にいることを意味している」となります。thatは地下の洞窟にある飛行石が光りはじめたことです。

must have+過去分詞

『実践ロイヤル英文法』では「must have+過去分詞」は「きっと~だったろう」という意味だと書いていますが、「~したにちがいない」と覚えましょう。ナウシカがこう言います。

「きれいな水と土では腐海の木々も毒を出さないとわかったの。」

The trees of the toxic jungle must have evolved to purify the Earth of all the pollution that we humans have made.

「腐海」はtoxic jungle (有毒なジャングルという意味)と訳されています。evolveは「徐々に発達する develop gradually」, purifyは「~を浄化する」、the Earthは「地球」、pollutionは「汚染、公害」、humansは「人類」という意味です。weとhumansは同格です。英文は直訳すると、「腐海の木々は私たち人類が作り出したすべての公害であるこの地球を浄化するために徐々に発達したにちがいない」となります。

have to

mustの代わりにhave toがよく使われます。ほぼ同義語ですがmustの方が固い表現なので日常会話ではhave toが使われることが多いです。主語が三人称単数の時はhas to、過去形はhad toになります。

義務・必要 「~しなければならない」

「義務・必要」の意味ではmustは現在形でしか使えないので、過去の義務や必要を表わすときはhad toとしないといけません。

パズーがドーラに一緒に連れって手とお願いします。その理由を述べるパズー。

「ラピュタの本当の姿をこの目で確かめたいんです。」

“And I have to find out the real truth about Laputa for myself, captain.”

find out the truth=真実を突き止める; for oneself=自ら、自分で

ここでパズーがAnd I must find out the real truth about…と言ってもちっともおかしくはありません。

釜爺が千尋に言います。「どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。」

If you want a job, you’ll have to make a deal with Yubaba.

make a deal withは「~と取引する」という意味です。ここではhave toの代わりにmustを使うことができません。「~しなければならないだろう」という「未来」をmustでは表せないからです(You’ll mustだと助動詞が続くので間違いです)。

確信に近い推量 「~にちがいない」

『実践ロイヤル英文法』には以下の例文が載っています。

She has to be stuck in traffic ─ she wouldn’t be late otherwise.

「彼女はきっと交通渋滞で立ち往生しているのだろう。そうでなかったら送れたりしないはずだ。」と訳されていますが、これもmustと同じく「~にちがいない」という意味で覚えましょう。また、be stuckという表現に注目してください。受験英語ではあんまり出ませんがアメリカ人はよくこの表現を使います。身動きとれないときにI’m stuck. と言います。stuckはstickの過去分詞形です。

ought to

mustやhave toと比べるとはるかに文章に出てくることの少ないought toがですが、ought toも「義務」と「推量」を意味します。

義務 「~すべきである」

Knowledge without justice ought to be called cunning rather than wisdom. ─Plato

「正義なき知識は見識ではなく狡猾と呼ばれるべきである」(プラトン)

ought to be called…はshoud be called…もしくはhave to be called…もしくはmust be called…と言ってもほとんど意味が変わりません。be called cunning…は第5文型の受動態です。We call knowledge without justice cunning rather than wisdom. を受動態にすると、Knowledge without justice is called cunning rather than wisdom. になります。

ought toの否定形はought not to になりますが、
【例】You ought not to be ashamed of yourself. (君は自らを恥じるべきではない。)

ought toを使って、「~すべきでない」と言いたいときは、I don’t think A ought to…という表現を使うことが多いです。
【例】I don’t think you ought to be ashamed of yourself. (君が自らを恥じるべきだとは私は思わない。)

ought toの疑問文はOught we to…? になりますが
【例】Ought we to stop using this term? (この用語を使うのはやめるべきでしょうか?)

実際にこういう英語が使われることはまずないです。この場合はDo you think we ought to…?と言うようにしましょう。
【例】Do you think we ought to stop using this term? (この用語を使うのをやめるべきだとあなたは思いますか?)

確信的な推量・当然 「当然~のはずである」

Language ought to be the joint creation of poets and manual workers. (言語は詩人と肉体労働者の共同作品のはずだ)

「義務」と「推量・当然」の違いはあいまいです。上の例文も「言語は詩人と肉体労働者の共同作品であるべきだ」とも訳せます。「すべき」が「絶対すべき」になった時、「当然~のはずだ」という意味に変わりますが、その境界線はあいまいです。だからought toは「義務」の意味だけ覚えてもあまり支障はありません。

ought to have+過去分詞

「ought to have+過去分詞」は「~すべきだったのに(しなかった)」、「~したはずなのに(していない)」を意味します。

The teacher ought to have given her students a lot of homework. だと「先生は生徒に多くの宿題を与えるべきだったのに。」という意味になります。