英文法

名詞節を導く従位接続詞│ thatにwhetherにifにlestにbut that

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象としたサブノートです。 テキストは旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』を使用。「第11章 接続詞」の「116 名詞節を導く接続詞」(pp.232-236)を熟読してください。

従位接続詞には名詞節を導くものがあります。名詞節とは文の中で名詞の働きをする節で、主語補語目的語になったり、名詞の後について、その内容を説明する同格節になります。「」とは「いくつかの語が集まって文の一部を構成するとともに、それ自体の中に<主語+述語>を備えているもの」(p.19)を指し、名詞節・形容詞節・副詞節の3つがあることを忘れないようにしてください。「名刺節を導く接続詞」にはthat, whether, if, lest, but thatなどがあります。

that

接続詞thatは名詞節を導き主語、補語、他動詞の目的語、前置詞の目的語、名詞もしくは代名詞の同格節になることができます。

that節が主語の場合

ユパ様「トルメキアははるか西方の凶暴な軍事国家。死んだペジテの虜囚といい気になる。」

Tolmekia is far to the west, and its rulers are very warlike. That they had a Pejite hostage on board worried me.

farは「遠く離れた」、rulerは「支配者」、warlikeは「好戦的な」、hostageは「人質」、on boardは「(船・飛行機に)乗って」、worryは「~を心配させる」という意味です。They had a Pejite hostage on board (彼らはベジーテの人質を乗せていた)という文に接続詞thatを加えてThat they had a Pejite hostage on boardとすることで「名詞節」になり、That they had a Pejite hostage on board worries me. という文の一部(ここでは主語)となることができました。ただし、that節から英文を始めると動詞の前の主語が長くなり頭でっかちになるので、ネイティブは形式主語のItから始める文章を書くことを好みます。この文だとIt worries me that they had a Pejite hostage on board. と言い換えることができます。ただし私は文章にバリエーションをつけるためにthat節から始める文をよく書きます。

ユパ様がミトに「旧世界の怪物が掘り出されたというのだ。」と言うセリフがありますが、英語版では以下のように訳されて仮主語itから文章が始まっています。

“It was said that a monster from the old world was unearthed from deep beneath the city of Pejite.”

unearthは「~を発掘する」、その受動態のbe unearthed from Aは「Aから発掘される」、from beneath Aは「Aの下から」、それにdeepがつくと「Aの奥底から」という意味になります。この文をthat節から始めると「超」頭でっかちになるので、それはやめた方がよいかと思います。

that節が補語の場合

that節がbe動詞などの補語になることもあります。『ハウルの動く城』のラストの場面で荒地の魔女がカブ王子に「ソフィーの気持ちは分かったでしょ。あなたは国へ帰って、戦争でも止めさせなさいな。」と言うと、カブ王子が「そうさせていただきます。戦争が終わりましたら、また伺いましょう。心変わりは、人の世の常と申しますから。」と返答します。

“You should go home anyway, and tell your king to stop this dumb war.”
“Yes, that’s exactly what I’ll do. One thing you can always count on is that hearts change.”

dumb warは「バカげた戦争」、dumbはstupidとほぼ同義です。exactlyは「まさしく」、count on=は「~を頼りにする、当てにする」、heartは「心」を意味します。ここでカブ王子はis以下の補語にthat hearts changeという名詞節を用いています。

that節が他動詞の目的語の場合

【例文】I believe that all government is evil, and that trying to improve it is largely a waste of time.

アメリカ人ジャーナリストのH. L. Mencken (1880-1956)の言葉です。「私は、すべての政府は邪悪であり、それを改善しようとすることはほとんど時間の無駄だと信じている。 」 governmentは「政府」、evilは「邪悪な」、improveは「~を向上させる」、largelyは「ほとんど、おおむね」、a waste of timeは「時間の無駄」。I believe him. だと「私は彼を信じる。」、I believe that S+V…だと「私はSがVであることを信じる」という意味になります。

that節が前置詞の目的語の場合

that節はexcept thatとin thatの形で前置詞の目的語になることがあります。except that…は「~ということを除けば」、in that…は「~という点では」という意味です。

【例文】I know nothing about dogs except that I love them.

MLBの名捕手Joe Garagiola (1926-2016)の言葉です。「私が犬好きであること以外、犬について何も知らない。 」

【例文】A great man is different from an eminent one in that he is ready to be the servant of the society.

インドの社会活動家B. R. Ambedkar (1891-1956)の言葉です。「偉大な人は社会の公僕になる準備ができているという点で、著名な人とは異なる。」 be different fromは「~と異なる」、be ready toは「~する準備ができている」、servantは「公僕、召使い」、societyは「社会」を意味します。an eminent oneのoneは前述のmanのことです。a great manのmanは「男」ではなく「人」を意味しますが、Ambedkarで女性もイメージして この言葉を語ったかどうかはわかりません。

that節が同格節を導く場合

名詞の後にthat節が続いて「~という」という意味でその名詞の内容を示すことができます。

【例文】I want to emphasize the fact that the independence of Kosovo should and will be recognized.

コソボの政治家イブラヒム・ルゴヴァ(1944-2006)の言葉です。「私はコソボの独立が認められるべきであり、認められるであろうという事実を強調したい。」 emphasizeは「~を強調する」、independenceは「独立」、be recognizedは「承認される」。the fact that…で「~という事実」を意味します。

独立 [Ibrahim Rugova] emphasize=~を強調する; the fact that…=~という事実; recognize=~を承認する

口語では同格のthatが省略されることがあります。ただし意味がとりにくくなるのでライティングでは省略しないでください。

『天空の城ラピュタ』でパズーが「ドーラも黒メガネもその石をねらっているんだね。」と言うと、シータが「でも、この石に不思議な力があるなんて私ちっとも知らなかった。」と答えます。ここで I had no idea (that) my crystal…のthatが省略されています。

“I think Dola and that man are both after your necklace.” “I think you’re right, but I had no idea my crystal was so incredibly powerful.”

after=in search of ~を追い求めて; have no idea that…=ということを知らない; incredibly= exceedingly 途方もなく; powerful=強力な 

whetherとif

「~かどうか」という意味で接続詞whetherは名詞節を導くことができます。つまり、whetherは主語、補語、他動詞の目的語、前置詞の目的語、同格節になることができます。「もしも~ならば」という意味でおなじみのifは「~かどうか」という意味で主語(形式主語が用いられた時のみ)と他動詞の目的語になることができます。

主語として

【例文】It was doubtful whether the patient would survive the operation.

「その患者が手術で助かるかどうかは疑わしいかった。」 patientは「患者」、 survive an operationは「手術を受けて生き延びる」ことを意味します。この文は仮主語itを外して Whether the patient would survive the operation was doubtful. と言ってもかまいません。It was doubtful if the patient would survive the operation. と言うこともできますが、仮主語itを使わずに、If the patient would survive the operation was doubtful. と言うことはできません。

補語として

【例文】My great concern is not whether you have failed, but whether you are content with your failure.

アメリカ大統領のリンカーンの言葉です。concernは「心配事」、be content withは「~に満足している、甘んじている be happy and satisfied with」という意味です。「私が心配しているのは、あなたが失敗したかどうかではなく、失敗に甘んじているかどうかです。」 接続詞ifは補語になれないのでMy great concern is not if…ということはできません。

他動詞の目的語として

【例文】I doubt whether classical education ever has been or can be successfully carried out without corporal punishment.

ジョージ・オーウェルの言葉です。「私は、古典教育が今まで体罰なしで成功的に行われたことがあるのか、または実行可能なのか疑問に思う。 」 classical educationは「古典教育」、everはここでは「今まで」と訳していますが、日本語の語感では把握しにくい単語なのでat any timeという意味で覚えましょう。carry A outは「Aを実行する」、corporal punishmentは「体罰」という意味です。whetherのあとにorが来ているので「whether A or B」(AからBかどうか)の意味で捉えようとする人が多いかもしれませんが、そう捉えるとジョージ・オーウェルの言わんとしていることを理解できなくなるので注意してください。

【例文】 He stopped to ask me if I was all right.

「彼は立ち止まって私の安否を尋ねた。」 ifをwhetherに置き換えても構いません。

whether or not

whether or notは「~かどうか」という意味です。『耳をすませば』での聖司が使っています。「バイオリンは300年前に形が完成しているんだ。あとは職人の腕で音の良し悪しが決まるんだよ。」

They’ve been making violins the exact same way for 300 years, but whether or not they sound any good is totally dependent on the craftsman’s skill.

the exact same way=全く同じように; sound=音を出す; totally= completely; be dependent on=~に依存している; craftsman=(熟練した)職人; skill=技術、技能

lestとbut that

lestは「~しはしないかと」、but thatは「~ではないということ」という意味の接続詞ですが、かなり文語調であまり使われない表現です。大学受験生はこういう表現もあると頭に入れておく程度でよいでしょう。 英作文でこの2つの表現を使えなくてもまったく問題ありません。

【例文】She worried lest he should tell someone what had happened.

「彼女は彼が誰かに何が起きたかを話はしないかと心配していた。 」

【例文】 There is no doubt but that it must be done.

「それがなされなければならないことに疑いの余地はない。」