英文法

動詞につく前置詞が本当は副詞ではないか注意すること

前置詞は名詞や名詞相当語句と結びついて、形容詞や副詞句を作ります。そのため、前置詞の後には必ず名詞・代名詞・名詞句・名詞節が続きます。大学受験対策で覚えさせられるイディオムの多くは「動詞+前置詞+名詞」の形を取ります。「~から成る」はconsist ofで、「~に参加する」はparticipate inといった熟語です。Water consists of two elements. (水は2つの元素から成り立っている。)、I participated in the festival. (私はお祭りに参加した。)のように前置詞の後には名詞が続きます。しかし、動詞と前置詞らしき単語の組み合わせなのに、その後に名詞が続かなかったり、名詞が前置詞の後ではなく動詞と前置詞の間にくるイディオムを見かけることがあります。例えば、「振り返る」はturn aroundで完結して、aroundの後に名詞が続きません。また、「それを返す」はgive it backと言い、決してgive back itと言うことはありません。

これはどういうことなのでしょうか? もう一度繰り返します。①前置詞の後には名詞もしくは名詞相当語句が来るはずなのに、②前置詞らしきものの後に名詞類が続かなかったり、③名詞が前置詞らしきものの後にではなく前に置かれることがあるのはなぜなのでしょうか?

正解は②と③の「前置詞らしきもの」は実は前置詞ではなく副詞だからです。副詞とは動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾する語です。だから副詞には名詞や代名詞はひっつきません。前置詞の多くは副詞としても使われます。例えば、about, across, around, by, down, in, on, off, out, over, upなどです。これらの単語が前置詞で使われているか、それとも副詞で使われているか、意識して気をつける必要があります。前置詞と副詞では文法的機能が全く違うためです。

①「動詞+前置詞」の後に名詞類がくる形
②「動詞+副詞」の後に名詞類がこない形
③「動詞」と「副詞」の間に名詞類がくる形

この3つの区別がしっかりできるようになってください。⓪動詞が「他動詞」の時は「動詞」の後に名詞類がきます。①は動詞が目的語を取らない「自動詞」なので次に名詞類ではなく前置詞がつく形になっています。②の動詞は「自動詞」です。自動詞にも副詞にも名詞類はひっつかないので「動詞+副詞」で完結します。③の動詞は「他動詞」です。だから動詞の後に名詞類が登場してきます。名詞類の位置は基本的に副詞の前でも後でもかまいませんが、その名詞類が代名詞の時は「動詞+代名詞+副詞」の順序になります。動詞イディオムは、これら3つのパターンの違いに注意して、動詞にくっつく単語が前置詞と副詞のどちらか理解した上で覚えていってください。特に一番気をつけるべきルールは、「他動詞+副詞」では目的語が代名詞の時は「他動詞+副詞+代名詞」ではなく「他動詞+代名詞+副詞」の形をとることです。