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【3分でわかる】There is 構文の意味と使い方

英語では「どこそこにAがある[いる]」という意味を、There+be動詞+A…という形で表します。 There is構文は不特定の人やモノを表わすときに使い、 be動詞の数や人称は主語のAの数や人称に一致します。また、be動詞以外にexistやstandなどの存在や生起を表わす動詞が使われることがあります。

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目次

There is構文の3つの注意事項

「どこそこにAがある[いる]」という意味を、英語ではThere+be動詞+A…という形で表します。Aが主語に当たります。Thereは形式的に置かれているだけなので特に意味はありません。There is構文は以下の3点に気をつけてください。

原則的にThere is構文は主語が不特定の人・モノを表わすときに使う

There is構文は不特定の人やモノを表わすときに使います。例えば、空に太陽が見えたからといって、
There is the sun in the sky.
とは言いません。太陽は不特定多数のモノのひとつではないからです。この場合、
The sun is in the sky.
と言います。「テーブルの上に本がある。」は
There is a book on the table.
もしくは
There are some books on the table.
となりますが、探していた本だと「通常は」
The book is on the table.
と表現します。ここで「通常は」に気をつけてください。何か探しているもの見つけた時に「ほら、そこにあるよ」と相手に伝える時には特定のモノにもかかわらずThere is構文を使うことができます。
There is the book on the table!
と言ってよいわけです。There is a book on…だと「~に本がある」がThere is the book on…だと「ほらほら~に本があるよ」という強調のニュアンスが生まれます。

be動詞の数や人称は主語のAの数や人称に一致する

肯定文では、Aが単数の時は

There is…
There was…
There has been…


Aが複数の時は

There are…
There were…
There have been…

疑問文だと

Is there…?
Was there…?
Has there been
Are there…?
Were there…?
Have there been…?

canやmustなどの助動詞がつくと、その後にくる動詞は原形になるので単数と複数の区別もなくなります。

There can be…
There must be…

There is構文はbe動詞以外にexistやstandなどの存在や生起を表わす動詞が使われることがある

『実践ロイヤル英文法』にはThere is構文に使えるbe動詞以外の動詞としてarise (起こる), come (来る), exist (存在する), happen (起こる), live (住んでいる), follow (後に起こる), remain (残っている), stand (ある)が出ていますが、文語調で古臭いニュアンスがあるのでこれらの動詞を使って話したり、書いたりすることができなくてかまいません。英文を読んでいるときに出てきたら戸惑わないように、こういうものもあると理解しておく程度で十分です。

以下、主語の違いに注目してThere is構文の例文をいくつか見てみます。

現在形の単数形: There is…/There’s…単数名詞

英語版『天空の城ラピュタ』より

『天空の城ラピュタ』でドーラが「ママ、だめだ、吸い込まれる」と泣き言をいう息子に対して「男が簡単にあきらめんじゃないよ」と言います。

“Mom, it’s no use! We’ll be sucked in!”
“If there’s one thing I can’t stand, it’s a quitter!”
It’s no use=役に立たない、無駄だ; be sucked in=(嵐に)飲み込まれる; can’t stand=~には我慢ならない; quitter=簡単にあきらめる人

there’sはthere isの省略形です。「男が簡単にあきらめんじゃないよ」というセリフが、英語版では「もし自分が我慢できないことが一つあるとすれば、それは簡単にあきらめる人だ」と意味に訳されています。

英語版『紅の豚』より

ポルコがフィオとピッコロを見比べて、ピッコロに「似てねえな。本当にじいさんの孫なのか?」と言います。

“Well, there’s no resemblance. Are you sure that girl’s your granddaughter, Piccolo?
resemblance=似ていること、類似; Are you sure…?=~ということを確信しているか; granddaughter=孫娘

このthere’sもthere isの省略形です。フィオがピッコロの親父に少しでも似ていれば
There are some resemblance.
となるところを、まったく似ていないのでポルコは
There are no resemblance.
と言っています。

英語版〔千と千尋の神隠し』より

『千と千尋の神隠し』の最初の場面です。後部座席に寝っ転がっている千尋に対して、車を運転している父親が「ほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。 」と声をかけます。

“Look, Chihiro, there’s your new school. Looks great, doesn’t it?”

It looks greatのItが省略されてLook greatと言っています。doesn’t it?は付加疑問です。ここで千尋のお父さんは特定のモノのyour new schoolを見つけた時にThere is構文を使っていることに注意してください。

現在形の複数形: There are…/There’re…複数名詞

『涼宮ハルヒの憂鬱』で朝倉に襲われるキョン。動けると長門に言うと、朝倉のプログラムには欠陥があると朝倉に告げます。

“Wait, huh? I can move! Nagato?” “There are flaws in your program. Your data-shutdown and spatial blockades are faulty.”
flaw=欠陥; shutdown=活動停止; spatial=空間の; faulty=欠陥のある

欠陥は複数あるから There are flaws… となっています。

過去形の単数形: There was…単数名詞

I found there was only one way to look thin: hang out with fat people.
hang out with A=Aと一緒に過ごす

「やせて見えるための唯一の方法を私は見つけた。太った人とつるむことだ。」

過去形の複数形: There were…複数名詞

I was only one little person in that big crowded stadium filled with people, and believe me, there were so many people there, but it was just a handful of the entire population.
crowded=混雑した; stadium=野球場; filled with=~でいっぱいの; a handful of=一握りの; the entire population=全人口

小学六年生の時にハルヒは親に連れられて野球場に行きます。最初、球場内にいる人の多さにびっくりしますが、これらの人たちが日本全体からすればほんの一部に過ぎないということに気づき愕然とします。上の英文は「私なんてあの球場にいた人ごみのなかのたった一人でしかなくて、あれだけたくさんに思えた球場の人たちも実は一掴みでしかないんだって…ね。」というセリフを英訳したものです。so many peopleが複数なので there was…ではなく、there were… となっています。

疑問文: Is there…?など

英語版『風の谷のナウシカ』より

Ohmu… I’m not gonna hurt you. Don’t be frightened. I’m not your enemy. I’m so sorry. Is there any way you can forgive us?
be gonna=be going to; be frightened=怖がる; enemy=敵; way=方法; forgive=~を許す

ナウシカが王蟲をなだめている場面です。There is構文の疑問形が使われています。主語が単数の疑問文なので Is there….? という形の文になっています。

助動詞が加わる形: There can be…など

助動詞の後は動詞の原形が続くので、主語が単数であろうが複数であろうが、助動詞が加わったThere is構文では「There+助動詞+be動詞」の形を取ります。There can be no… There cannot be… で「~にはなりえない」という意味になります。

There can be no liberty unless there is economic liberty. ─Margaret Thatcher
経済的自由がなければ自由はありえない。─マーガレット・サッチャー

There must be…は「~があるはずだ」、「~があるにちがいない」という意味になります。以下は風の谷を突然攻撃してきたトルメキア人に対してユパ様が言った言葉です。

If you are here to make war, there must be a fitting reason, and it’s only right to first send a messenger to announce your grievances.
be to=~する予定がある; make war=開戦する; fitting=適切な、ふさわしい; reason=理由; right=正しい; messenger=使者; grievance=不当な扱いに対する不平

完了形: There has been…など

現在完了のThere is構文は主語が単数の時はThere has been…、複数の時はThere have been…になります。There hasはThere’sに省略されることがあります。There isの省略形もThere’sなので注意してください。There’sのあとに過去完了形の動詞がくれば、これはThere isではなくてThere hasです。

ムスカがパズーに謝罪(ただの謝罪のふりですけど)する場面があります。「パズー君、君を誤解していた。許してくれたまえ。」とムスカがパズーに話しかけます。

Pazu, I’m so so sorry. There’s been a grave misunderstanding.
grave=seriously bad; misunderstanding=誤解

be動詞以外の動詞が使われる形: There exists…など

There is構文でbe動詞以外の動詞が使われることがあります。

There arises… (起こる)
There arrives… (到着する)
There comes… (来る)
There exists… (存在する)
There follows… (後に起こる)
There happens… (起こる)
There lies… (ある)
There lives… (住む)
There stands… (ある)

かなり文語調なのでこの形はこういうものもあると理解する程度で十分です。意味もThere is…に置き換えて大体理解できます。

There exist limitless opportunities in every industry. Where there is an open mind, there will always be a frontier.
あらゆる産業に無限の機会が存在する。開かれた心があるところには、常にフロンティアがある。

opportunityが複数形なのでThere existsではなくThere existとなっています。existは存在するという意味ですがThere exist…はThere is…に置き換えて理解しようとしても特に問題はありません。

Is that supposed to be funny? There stood before me this amazingly beautiful girl.
be supposed to do=~することになっている; funny=おかしい; stood=standの過去形; amazingly=surprisinglyの強意形

涼宮ハルヒがクラスの自己紹介で「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人 、未来人、異世界人、超能力者が居たら、あたしの所に来なさい。以上」と発言した後にキョンはつぶやきます。「これ、笑うとこ?偉い美人がそこにいた。」と。この箇所の英訳です。There stood…はThere standsの過去形です。There was…よりも目の前にいる印象が強くなります。

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