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【完全版】5分でわかる場所と位置と方向を示す25の前置詞

前置詞は名詞や代名詞の前について場所や位置を示すことができます。この記事では以下の25の前置詞の用法を見てみます。
場所─at, on, in
上下─on, above, below, over, under
進行・通過─along, across, around, through
周囲─around, round, about
位置の前後─in front of, behind
接近・遠隔─beside, by
方向・到達─to, for, toward
内外・間─in, into, out of, outside, between, among

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目次

場所を示す前置詞 at, on, in

「(場所)で」「で」は、その場所が広がりをもたない地点とイメージされるとat、場所がとしてイメージされるとon広がりがある場所だったり、何かの中とイメージされるとinを用います。それぞれ1次元、2次元、3次元的視点と言えます。『表現のための実践ロイヤル英文法』には次の例が出ています。

at the door 戸口で
at the bus stop バス停で
on the floor 床に
on the lawn 芝生で
on the beach 浜辺で
in the park 公園で
in the room 部屋で
in the river 川で
in a restaurant レストランで
in Japan 日本で

We met at the bus stop. (私たちはバス停で会った。)を We met in the bus stop. ということはまずありません。バス停のどの位置にいようが後から来た人はバス停にいる相手を一目で見つけられるからバス停を広がりのある場所として認識しないからです(バスターミナルな広い場所だとin the bus terminalと言うことも普通にあります)。floorやlawnは広がりがあっても面として認識されます。だからin the floor, in the lawnとは通常言いません。

例文をいくつか見てみましょう。『ハウルの動く城』での場面です。寝込んでいるハウルが「荒地の魔女が僕の家を探しているんだ。」と言うと、ソフィーが「えっ。あっ、港で手下を見かけたわ。 」と返答しますが、英語版ではこの「港で」がat the harborと訳されています。

Howl: “The Witch of the Waste is trying to find my castle.”
Sophie: “I saw her henchmen at the harbor.” 

the Witch of the Waste=荒地の魔女; castle=城
henchman (複 henchmen)=悪党の忠実な子分

ここで「港」は広がりをイメージせずに「ある地点」として認識されているのでin the harborではなく、at the harborと表現されています。

『となりのトトロ』でバス停でお父さんを待っているサツキとメイがon the busという表現を使っています。

Satsuki, Dad wasn’t on the bus. 
「お父さん、乗ってないね。」
He’ll be on the next one for sure. 
「きっと次のバスなんだよ。」

on the next oneのoneはbusを指します。for sureは「確かに、確実に」と言う意味。in the busと言ってもおかしくはありませんが、on the busと言うことが多いです。

最後に前置詞inを見てみます。『千と千尋の神隠し』での千尋のお父さんとお母さんの会話です。

Father: “It looks like an entrance.”
「門みたいだね。」
Mother: “Honey, get back in the car. We’re going to be late.”
「あなた、戻りましょう、あなた。」

英語版では「門」が「入口(entrance)」に変わり、「遅れるわ (We’re going to be late)」という表現が追加されています。ここで千尋のお母さんは「車の中に」戻るよう言っているのでin the carと表現されています。バスや列車のように立って乗れる乗り物の場合はonが使われますが、乗用車のように立って乗れない乗り物についてはinが用いられます。

もう一つ見てみます。『紅の豚』でポルコが行方不明になったと勘違いしているジーナにポルコは電話をかけます。そこでジーナが「イタリアにいるの? バカじゃないの! イタリア人があんたに逮捕状を出しているの忘れたの?」と言います。ちなみに日本語版の『紅の豚』にはこのセリフはありません。

You’re in Italy? You idiot! The Italians have a warrant out for your arrest, remember?

idiot=バカ a stupid person
the Italians=イタリア人; warrant=令状; arrest=逮捕

イタリアは広がりのある場所として認識されているのでin Italyと表現されています。ここでat Italyやon Italyと言うことはありません。

上下を示す前置詞 on, above, below, over, under

「~の上に」という意味で最初に思い浮かべる前置詞はonという人が多いでしょうが、on「~の表面に接して」という意味なので、「~の下に」あっても面に接している限り、onを使います。「天井にハエがとまっていたら」There is a fly on the ceiling. です。

キキが森の中にあるウルスラの家を尋ねます。「ごめんくださーい」天井の上からウルスラが「ハーイ。いま手が離せないの」

Kiki: “Anybody? Hello? Anybody here?”
Ursula: “Yes! Stop shouting! I’m on the roof! What do you want?”

shout=叫ぶ

英語版では「すいません、誰かいませんか?」「いますよ! 大きな声を出すのはやめて! 屋根の上にいるよ! 何か用?」という意味のセリフに変わっています。このように「屋根の上」はon the roofになります。

「上方に」above「下方に」belowです。

It’s somewhere above the train station.
「駅の上の方です。」

somewhere=どこかに

on the train stationだと駅の天井に接触しているという意味になりますが、above the train stationだと駅の上側にいるという意味になります。

ナウシカの「瘴気マスクをつけろ! 雲下に降りてバージを救出する」というセリフですが、「雲下に」がbelow the cloudsと表現されています。

Ready? Now! Put on your masks. I’m going below the clouds to rescue the cargo barge.

put on=~を身に付ける

cargoは「積荷」、bargeは「荷船」、rescueは「~を救う」を意味します。rescueの詳しい意味について興味のある方は以下の記事をお読みください。

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「助ける/手伝う」helpと「助ける/救う」saveの違いは何? 日本語の「助ける」には「手伝う」という意味と「救う」という意味がありますが、英語ではこの2つを厳密に区別します。「助ける/手伝う」の意味ではhelpとassistとaid、「助ける/救う」の意味ではsaveとrescueが用いられます。

「真上に」over「真下に」underで表します。『実践ロイヤル英文法』には「離れている場合にも接触している場合にも使える」(p.305)と説明されています。しかし「覆いかぶさる」という場合には下にあるものと接触してかまいませんが、「机の上に」何か置いてあるとき、over the diskとは言わないかと思います。その場合は必ずon the deskになります。

『天空の城ラピュタ』でポムじいさんが言った「山の上に」が英語版ではover the mine (「鉱山の上に」)と訳されています。

“Great-grandpa used to tell me the rocks become restless when Laputa appears over the mine.”
「わしのおじいさんが言ってたよ。岩たちが騒ぐのは山の上にラピュタが来とるからだとな。」

restless=絶えず動いている
appear=現れる; mine=鉱山

overは上に覆いかぶさるイメージです。サツキがバスの停留所でトトロに傘を貸し、「こうやって使うのよ」という場面がありますが、英語版では以下のように訳されています。

Hold it over your head, like this.

「~の真下に」underです。

I certainly have been guilty of trying to sweep things under the carpet. ─Kenneth Branagh
いろんなものをカーペットの下に掃こうとしたことで確かに私は罪を犯している。─ケネス・プラナー

また、「~の上の方に」up「~の下の方に」downとなります。upとdownは副詞として使われることが多いので、副詞を前置詞と間違わないように注意してください。

進行・通過を示す前置詞 along, across, around, through

『千と千尋の神隠し』での千の「線路を歩いてくる」という発言が英語版ではI’ll walk back along the tracksと表現されています。ここでのbackは副詞です。

“The train used to run in both directions, but these days it’s a one-way ride. Still want to go?” “Yep. I’ll walk back along the tracks.
「昔は戻りの電車があったんだが、近頃は行きっぱなしだ。それでも行くか千?」「うん、帰りは線路を歩いてくるからいい。」

in both directions=両方向に; these days=最近; one-way ride=片道乗車
yep=yes; walk back=歩いて戻る; track=線路

前置詞along「~に沿って」という意味で覚えている人も多いかと思います。この意味で覚えると千の I’ll walk back along the tracks. を「線路に沿って歩いて戻る」という意味に捉えてしまいますが、日本語版では「線路を歩いてくる」と言っています。つまり線路の中を歩くと言っているわけです。alongは「道や川などのラインのA地点からB地点まで」を意味します。walk along the riverだと「川に沿って歩く」と訳してい良いです。なぜなら川の中を歩くことはまず考えられないので川岸を歩いているに違いないからです。これに対し、walk along the sidewalkだと歩道に沿って歩くのではなく、歩道を歩くことが容易に推測されます。歩道があるのに、わざわざ歩道の外側を歩く人はいないからです。walk along the roadだと「道を歩く」のか「道に沿って歩く」のかこれだけでは判断できません。車が多く行き来する道路だとすれば道路の脇を歩くに違いありません(つまり「道路に沿って歩く」)。車がほとんど通らない道路の場合は道路を歩くに違いありません。

「~を横切って」acorssと言います。『魔女の宅急便』でキキに会いに来たウルスラが八百屋のおじさんに道を尋ねている場面で前置詞acrossが出てきます(注: 日本語版にはこの場面でせりふは出てきません)。

Uh-huh. It’s right over there across the street.
ええと、通りを横切ってちょうどあのあたりですね。

「(角を)曲がって」という場合はaroundを用います。aroundは「~の周りに」という意味でよく用いられますが、「~のそばに」、「~の近くに」という訳されることがあります。ただしこう訳されても「あるものの周りの所に」という意味であることには変わりありません。around the cornerは「角を曲がったところ」と訳されますが、これも「角のあたり」という意味です。『魔女の宅急便』でオソノが赤ちゃんのおしゃぶりを置き忘れた女性について語ると、キキが「あそこを曲がった乳母車の人でしょう?」という場面がありますが、「あそこを曲がった」がaround the cornerと訳されています。

The woman with the baby carriage who just went around the corner.

baby carriage=乳母車; just=ちょうど

「~を通り抜けて」throughで表します。アシタカが傷ついたサンをかついでたたら場を出る時、「わたしは自分でここへ来た。自分の足でここを出て行く」と言いますが、英語版では「わたしは今朝、この門を通り抜けた。いま同じように出ていく」と意味の英語になっています。

I walked in through this gate this morning. Now I’m going to leave the same way.

walk in=歩いて中に入る; gate=入り口、門扉; leave=去る; the same way=同じように

「この門を通り抜けて」がthrough this gateと訳されます。

もう一つthroughの表現を見てみましょう。 『千と千尋の神隠し』でのハクのセリフです。

Just go back the way you came. You’ll be fine. But you have to promise not to look back, not until you’ve passed through the tunnel.
「千尋は元来た道をたどればいいんだ。でも決して振り向いちゃいけないよ、トンネルを出るまではね。」

go back=元の所に戻る; the way you come=あなたが来たように
look back=後ろを振り返る
not until=~まで…ない; pass through=~を通り抜ける

passは「通る、通過する」という意味ですが、pass throughで「~を通り抜ける」という意味になります。

周囲を示す前置詞 around, round, about

前置詞のaroundroundはどちらも「~のまわりに」を意味します。副詞としてもよく使われます。後に目的格としての名詞や代名詞が来ていれば前置詞です。

aroundとroundは「~の辺りに」「~のあちこちに」という意味でも使われますが、この意味ではaboutもよく使われます。

Books and toys were scattered about the room.
本やおもちゃが部屋中に散らばっていた。

位置の前後を示す前置詞 in front of, behind

位置の前を示して「~の前に」という時はin front of用います。

What’s the matter with you? Must have been blinded by two beautiful girls in front of them.
「なによ、この美人が目に入らないのかしらね。」

多少意訳されていますが、英語セリフを直訳すると「どうしたの? 目の前にいる2人の美女に目がくらんだんだわ」。be blinded byは「~に目がくらむ」という意味です。

位置関係を示す「~の後ろに」を意味する前置詞はbehindです。キキの「雁の群れよ。すてき」のセリフでbehindが使われています。

Wow! Look who’s behind us. behind geese!
わあ! 後ろにいるのが誰か見て。雁よ!

wild=野生の; geeseはgoose (ガン)の複数形です。

接近・遠隔を示す前置詞 beside, by

「~のそばに」という意味で思い出すのはbesideかもしれませんが、byの方がよく使われます。byは「~によって」だけでなく、「~のそばに」という意味もあるのをお忘れなく。

『耳をすませば』の場面。雫の小説をゆっくり読みたいと司朗は言っているのに、雫はいますぐ全部読めとむちゃぶりをします。「火のそばへ」が「火のそばに座って」という意味で Have a seat by the fire. と訳されています。

I understand. I’ll read it right away. Have a seat by the fire. It’s getting cold.
「わかりました。すぐ読ませてもらいます。さあ、火のそばへ。今日は冷えこむ。」

right away=immediately
have a seat=座る; get cold=寒くなる

I was sitting right beside her at the library.
私は図書館で彼女のすぐそばに座っていた。

ある面に接触している場合はonを使うとすでに説明しましたが、ある面から離れていることを示す場合はoffを用います。『紅の豚』で修理した飛行機を飛ばす準備をしているポルコがフィオにこう言います。

I don’t even know if I can get her off the water.
この飛行機が水面から離陸できるかどうかさえ分からない。

日本語版にはこういうセリフはないのですがそれはともかく、ポルコとフィオは川から飛行艇を飛ばすことに成功します。

方向・到達を示す前置詞 to, for, toward

「Aへ」という場合、to Aもしくはfor Aになります。『実践ロイヤル英文法』ではAが到達点の場合はto、「~の方へ」という意味でAが到達の方向の場合はforを用いると説明されています。

『天空の城ラピュタ』でのシータのセリフです。

The robot was leading us to this place, Pazu.
パズー、ロボットが私たちはこの場所に導いてくれたんだわ。

lead A to B=AをBに導く; place=場所

ちなみに日本語版ではこれに相当するセリフはありません。「この場所」という到達点が明確に示されているので、for this placeではなくto this placeになっています。

次はドーラのセリフ。

Attention, all hands! Now hear this! Goliath is already underway for Laputa. We’re gonna set sail and go after them.
「みんな、よーくお聞き。ゴリアテは既にラピュタへ出発した。本船はこれより追跡を開始する。」

attention=注意; all hands=総員
underway=航行の
gonna=going to; set sail=出帆する; go after=~の後を追う

ここでドーラはGoliath is already underway to Laputaとは言っていません。to Laputaだとラピュタの場所がすでにわかっていてそこに向かっているというニュアンスになります。forが「~の方へ」とよく訳されるのは、到達点が明確にはわかっていないからです。さらに到達点が明確でなく大体「そっちの方へ」という場合はtowardを使います。toward Laputaだと、「正確なラピュタの場所をわからなくてもとにかくラピュタがある方へ行こうぜ」というニュアンスになります。

We were heading toward Hakodate when our car broke down.
函館に向かう途中、車が故障した。

内外・間を示す前置詞 in, into, out of, outside, between, among

ininto「~の中に」という意味ですがintoの方が動的なインプレッションを与えます。

I found that with clean water and soil, the plants from the toxic jungle aren’t poisonous. All the poison is in the soil.
「きれいな水と土では腐海の木々も毒を出さないとわかったの。汚れているのは土なんです。」
soil=土; plant=植物; toxic=有毒な; toxic jungle=腐海; poisonous=有毒な; poison=毒

All the poison is in the soil. は直訳するとinは「すべての毒は土の中にあるの。」 ここでの「~の中に」は静的なのでintoではなく、inが用いられています。

『魔女の宅急便』でキキがニシンのパイを届ける場面。いまにも大雨が降りそうなので次のように言います。

“Kiki, I don’t think we should be flying into those clouds.”
キキ、ぼくたちは雲の中に飛び込むべきではないと思う。

ここでのintoはいまにも中に入りこむというイメージです。雲の外から雲の中へ入っていくからinではなくintoが用いられています。ちなみに日本語版ではこのセリフはありません。

「~の中から外へ」out ofを使います。

カルシファーがソフィーにこう言います。「え~、無理だよ。おいらは契約で暖炉から出られないんだ!」 今いる暖炉から外に出るからout ofなわけです。

“I can’t! It’s impossible! No one but Howl can take me out of the hearth.”

no one but A=A以外の誰も; take=~を連れ出す; hearth=暖炉の前、囲炉裏、炉床

「~の外に[で]」outsideです。outside ofと言う場合もあります。逆に「~の中に[で]」insideです。inside ofとも言えます。雫と学校で待ち合わせをしていたのに、雫がいくら経っても来ず、夕子がキレ気味になってこう言います。「11時に昇降口っていったくせに15分も太陽の下にいさせて!」 英語版では「昇降口」が「学校の外で」に変わっています。

You said to meet outside the school, not inside. I waited in the sun for 15 minutes.

「~の間に」と言う場合、「2つのものの間に」between「3つのものの間に」amongを用います。

高性能焼夷弾や徹甲弾を売りつけようとされてポルコが「ボウズ、俺たちゃ戦争やってるんじゃねえんだよ。またな。」と言うと、「親方、戦争と賞金稼ぎとどう違うの?」と尋ねられます。「戦争とをすることと賞金稼ぎの間の違い」がthe difference between fighting a war and bounty huntingと表現されています。

Porco: “Hey, easy, kid. I’m just a bounty hunter. I’m not fighting a war.”
Kid: “So, what’s the difference between fighting a war and bounty hunting?”

bounty hunting=賞金稼ぎ(行為の場合)

The ancient fountain was hidden among the trees. 
その古い泉は木々の間に隠れていた。

ただし、2つだとbetween、3つ以上だとamongという原則に当てはまらない場合もあるので注意が必要です。relationship (関係)とdifference (違い)の後に続く場合は、3つ以上の関係・違いの場合でもamongではなくbetweenが続きます。

The relationship between the three friends is put to the test in this crisis situation.
この危機的状況の中で3人の友人の関係が試される。

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