英文法

人称代名詞の用法

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象としたサブノートです。 テキストは旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』を使用。「第16章 代名詞」の「第1節 人称代名詞」(pp.383-393)を熟読してください。

代名詞とは何か

「代名詞」とは文字通り、「名詞の代わりをする単語」のことを指します。例えば、John is nasty. (ジョンは意地悪だ)の固有名詞のJohnはheという人称代名詞に置き換えることができます。このheは人称代名詞ですが、代名詞には人称代名詞、指示代名詞、不定代名詞、疑問代名詞、関係代名詞の5つがありますが、ほとんどの英文法のテキストでは疑問代名詞は「疑問詞」の章、関係代名詞は「関係詞」の章で議論されます。今回は人称代名詞を扱います。

人称代名詞とは何か

人称代名詞では1人称、2人称、3人称の区別をします。話し手が1人称、相手が2人称、それ以外が3人称です。それぞれ単数と複数があります。また、それぞれ主格・所有格・目的格の形をとります。

ばくぜんと「人々」を指す総称人称のweとyouとthey

主格の複数形のwe, you, theyをそれぞれ「私たちは」、「あなたたちは」、「彼らは」という意味だけ覚えている人が多いですが、これらは漠然と一般の人々を指すことがあります。これを「総称人称」と言います。

we

weがpeople (人々) の意味で使われることがあります。総称人称のweの特徴は「話し手」を含むことです。そうなると「私たちは」という意味と「私を含む人々」という意味にどう違いがあるのか?、ということになりそうですが、確かにその違いはあいまいです。

【例文】
Confucius said, “People often make errors at the similar scenes. If we observe his error, we can understand his personality.”
孔子がおっしゃいました、「人はよく同じ様な場面で間違いを犯す、その間違いを観察すればその人柄が理解できる。」

この例文ではpeopleが人称代名詞weに置き換えられています。孔子がpeopleの中に自分のことを含めなければ、peopleはweではなく、youもしくはtheyに置き換えられます。

you

ソフィーがハウルの城の中に初めて入った場面です。あまりのぼろさが予想外ではありますが、「ま、年を取っていいことは、驚かなくなることね。」とつぶやきます。

Well, one nice thing about getting old is nothing frightens you.

frighten=~を怖がらせる

ここでのyouは「あなた」、「あなたたち」といった特定の人を指しているわけではなく、漠然と年を取った人たちのことを示しています。自分も年老いているわけなので、usでもよいのですが、おそらく第三者的に「老いるといろんなことに驚かなくなるものだ」という感想を述べたわけでしょう。自分を含めずに総称人称を使うと、自分の状況・立場とは関係なしに成立した客観的な判断というイメージができます。

they

「彼らは」という意味で理解しがちなtheyもばくぜんと「人々」という意味になることがあります。theyの場合、話し手も聞き手も含まれません。

【例文】
When people meet me, they say that I’m really kind ─ contrary to a lot of my music. ─The Weeknd
人々は私に会うと、私がとても親切だと言います─私の音楽の多くに反して。─ザ・ウィークエンド

所有代名詞の用法

前に出ている名詞を受けて、「~のもの」という意味で「人称代名詞の所有格+名詞」と同じ意味になるものを所有代名詞と言います。所有代名詞は7つあります。「わたしのもの」はmine、「わたしたちのもの」はours、「あなたのもの」と「あなたたちのもの」はyours、「彼のもの」はhis、「彼女のもの」はhers、「彼らのもの」はtheirsとなります。

ハクが所有代名詞を使っています。「名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。」というセリフで、my nameがmineと表現されています。

“If you completely forget it, you’ll never find your way home. I’ve tried everything to remember mine.”

remember=~を思い出す

one’s way homeは「帰り道」という意味です。ここではハクは「私は自分の名前を思い出すためにすべてのことを試みた。」としか言っていませんが、そのあとに以下のセリフが続きます。

千 ”You can’t remember your name?”
ハク ”No. But for some reason, I remember yours.”

for some reason=何ら句の理由で

ここでのyoursはyour nameのことです。

二重所有格

所有格は、冠詞やthis, thatなどの指示代名詞などと一緒に使うことができません。例えば、my friend (私の友人)に意味をつけ加えて「1人の私の友人」をa my friendと言うことはできません。この場合は、「名詞+of+所有代名詞」の形にする必要があります。 「1人の私の友人」はa friend of mineと表現できます。このように「of+所有代名詞」をつける表現のことを「二重所有格」と言います。

『魔女の宅急便』でオソノが二重所有格の表現を使っています。「お店のお得意さんなのよ。あんたの話がでたらちょうどいいからって」

“Dear, this lady is a customer of ours, and we were talking about your new delivery service.”

customer=客; delivery service 配達サービス

「私たちの客」はour customerと表現できますが、「私たちの客の一人」という時はa customer of oursとなります。

エボシが「さかしらにわずかな不運を見せびらかすな。」とアシタカに言う時も、二重所有格が使われています。

I’m getting a little bored of this curse of yours, Ashitaka.

get bored of=~に飽きている; curse=呪い

「あなたの呪い」はyour curseですが、this (この)がついているのでthis curse of yoursとなっています。

再帰代名詞の用法

myself, yourself, himself, herself, itself, ourselves, yourselves, themselvesの8つを再帰代名詞と言います。再帰代名詞は「~自身」の意味で動詞や前置詞の目的語となったり、主語や目的語を強調するときに使われます。

動詞の目的語になる

「動詞+再帰代名詞」もしくは「動詞+再帰動名詞+前置詞」の形で再帰代名詞が動詞の目的語になります。この形をとる動詞は限られているのでイディオムとして一つずつ覚えていくしかありません。辞書で確認するときは再帰動名詞をoneselfで調べないといけません。例えば、『実践ロイヤル英文法』に Please do not hesitate to avail yourself of our discount coupons. (どうぞご遠慮なく割引優待券をご利用ください)という表現が載っていますが、ここでavail yourself ofの意味を調べたいときは、avail oneself ofで確認しないといけません。『実践ロイヤル英文法』にはavail oneself of (~を利用する)、excuse oneself (中座する)、help oneself to (自由に~をする)、repeat oneself (繰り返して現れる)の4つのイディオムが紹介されていますが、「例文で英単語を4800語覚える」講座でも9つの再帰代名詞を使った例文を紹介しています。

前置詞の目的語になる

by oneself (独力で)、for oneself (自分のために、独力で)、in oneself (それ自体で)という表現はよく使われます。ほかにもtake care of oneself (自分の体を大切にする)、beside oneself (我を忘れて)など、「前置詞+再帰代名詞」の形をとるイディオムが多数あるので、英文を読んでいるときに見かけたら一つずつコツコツ覚えていきましょう。

強調の意味で使われる

主語や目的語の後に再帰動名詞を置いて(直後でなくてもかまいません)その主語や目的語を強調することができます。

ナウシカがユパに「私が胞子を集めて育てたんです。大丈夫、瘴気は出していません。」と言う時、ナウシカは自分でやったことを強調するために再帰代名詞myselfをつけ加えています。

I collected the spores and grew them down here myself. Don’t worry. The plants aren’t poisonous.

collectは「~を集める」、sporeは「胞子」、grewは「~を育てる」という意味のgrowの過去形、Don’t worry. は「心配しないで」、plantは「植物」、poisonousは「有毒な」という意味です。myselfはただの強調なのでmyselfがなくても文は成立します。

雫が聖司が作ったというバイオリンを見て、びっくりしてこう言います。「これ全部自分で作ったの?手で?」

“It’s nearly finished. Wow! You carved the entire thing yourself, by hand?”

carve=~を彫る; the entire thing=すべて; by hand=手作業で

Did you carve the entire thing by hand? が肯定文の形をした疑問文になり、さらに再帰代名詞のyourselfが追加されて、youが強調されています。