英文法

指示代名詞の用法

※『例文で英単語を4800語覚える』講座受講生を対象としたサブノートです。 テキストは旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』を使用。「第16章 代名詞」の「第2節 指示代名詞」(pp.393-399)をしっかり読んでください。

指示代名詞とは何か

「これ」、「それ」、「あれ」などの、特定の人やものを指し示す代名詞を指示代名詞といいます。英語ではthis, that, these, those, such, so, the sameが指示代名詞です。

thisとthat、theseとthoseの用法

具体的な人やものを指す│ this [these]は近いもの、that [those]は遠いもの

話し手から見て近い距離にあるものは1つの時はthis、複数ある時はthese。話し手から見て遠い距離にあるものは1つの時はthat、複数ある時はthoseを用います。この距離は物理的な距離だけでなく心理的な距離でもかまいません。いずれも代名詞だけでなく形容詞としても使われます。名詞の前に置かれたら指示形容詞となります。This is a book. のthisは指示代名詞ですが、下記のセリフのthisは指示形容詞です。

This formula’s gonna be on tomorrow’s test, class, so make sure you know it.

formula=公式; be gonna=be going to
make sure=必ず~する

「この公式は中間に出すからね!よく覚えておきなさい!」の英訳です。

thisの複数形がtheseです。『風の谷のナウシカ』で一人の老人がクシャナに「働き者のきれいな手だと言うてくれましたわ」と言うセリフがあります。誰が言ったかというと姫のナウシカです。

When she looks at these hands, she knows these are the hands of a hard worker.

片手だけであればthis handになります。両方の手なのでthese handsです。

ソフィーが荒地の魔女にご飯を上げようとすると、火の悪魔カルシファーが「ソフィー、やだよう。荒地の魔女だぜ!」と言います。ここで指示代名詞のthatが使われています。

Don’t feed her! That‘s the Witch of the Waste!

feed=~に食事を与える; the Witch of the Waste=荒地の魔女

ここでのthatは「あいつ」というニュアンスです。距離的には近くにいても、心理的な距離は遠いのでthatが使われています。ここでthisが使われると「こちらの方」というニュアンスになります。

「空賊どもと手を組むなら気をつけろよ若えの。」 ポルコのこのセリフは
I’d be careful if you plan on making a deal with those pirate gangs.
と訳されています。

careful=注意深い; plan on …ing=~する計画である; make a deal with A=Aと取引をする; pirate=海賊

ここでのthoseは「あいつら」のニュアンスです。『紅の豚』で使われる「空賊」という言葉は英語版では「海賊」の意味のpirateという訳語が当てられていますが、ほかの空賊はいま、このジーナの店の中のポルコから離れたテーブルでお酒を飲んでいます。距離的・心理的ともに遠い位置にある複数の人を指しているので、ここではthoseという指示代名詞が使われています。

すでに出た話の内容を指すthisとthat

心理的に近い内容であればthis、遠い内容であればthatを使いましょう。

千尋の「初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい」は
I finally get a bouquet, and it’s a good-bye present. That‘s depressing.
と訳されています。

finally=ついに、やっと; bouquet=花束; depressing=気の滅入る

ここでのthatは「初めてもらった花束がお別れの花束だったこと」を指します。

名詞の繰り返しを避けるthatとthose

文中ですでに出た名詞の繰り返しを避けるために、代わりにthat (単数の時)やthose (複数の時)で受けることがあります。この場合、that ofもしくはthose ofの形をとります。

【例文】
Australia has its own cultural identity, which is very different from that of Britain.
オーストラリアには独自の文化的アイデンティティがあり、それはイギリスとは非常に異なる。

cultural identityの繰り返しを避けるためにthat ofが用いられています。

「~する人々」の意味のthose who~

those who~という表現はよく使われます。「例文で英単語を4800語覚える」講座でも12の例文でこの表現が出てくるのでしっかりマスターしてください。

suchの用法

suchは「そのような」という意味の指示形容詞としてよく使われますが、「そのような人[もの]」という意味の指示代名詞としても用いられます。代名詞のsuchは単数・複数扱いのどちらにもなります。

【例文】
To send light into the darkness of men’s hearts ─ such is the duty of the artist. ─Robert Schumann
人の心の闇に光を送ることは、芸術家の使命である。─ロベルト・シューマン

suchは前の文のto send light into the darkness of men’s heartsを受けています。

ハウルの「僕は本当は臆病者なんだ。」というセリフは
I am such a big coward.
と訳されています。

coward=臆病者; hide=隠れる ※All I do is to hide. のtoが省略されています。

このsuchは指示代名詞ではなく、指示形容詞です。

soの用法

soはveryとほぼ同義で副詞としてよく使われますが、前の句や節の代わりに指示代名詞としても用いられます。よく聞くフレーズの I think so. (私はそう思います)のsoは指示代名詞です。

【例文】American presidents always avoid shaking hands with brutal dictators, except when it’s advantageous to do so. ─Elizabeth A. Sherman
アメリカ大統領は残忍な独裁者と握手をすること常に避けています。そうすることが自分に有利な場合を除いてですが。─エリザベス・シャーマン

So am I.So do I. の「so+動詞+主語」のsoも指示代名詞です。「~もそうである」という意味になります。

パズーがドーラに竜の巣に行くべきという時に、So will we. という表現を使っています。

「父さんの行った道だ。父さんは帰ってきたよ」

make it through=うまく乗り切る; alive=生きて

ここでパズーは自分らも父さんと同じように帰ってこれるであろうと予測しているのでso will weと表現されています。willの後に続くであろう動詞は省略されています。

the sameの用法

the sameは前に出てきた言葉を受けて「それと同じこと[もの]」という意味になります。

英語版の『魔女の宅急便』でウルスラがthe sameという表現を使っています。ちなみに夜にウルスラの丸太小屋で彼女とキキが会話する内容は英語版ではかなり意訳されています。日本語版にはこのようなセリフはありません。

I just felt like I’d lost my ability. It’s exactly the same, but then I found the answer.

feel like=~のように感じる; ability=能力
find-found-found=~を見つける

exactlyはthe sameの強調語です。exactly the sameで「まったく同じ」という意味になります。何が同じかというと、キキと同じように能力を失ったというところです。キキが魔法を使えなくなって空を飛べなくなったのと同じようにウルスラも絵をかけなくなった時期があると言っています。