2019年11月5日に投稿した「10年前から福岡大学に出入り禁止になっています 1-4」の続きです。
前文
あらこの記事を書いてもう4年近くになるのですね。【以下、続く】 と書いておきながら書かないままで申し訳ありませんm(_ _)m。わたしはデータマックスさんみたいな正義感なんてものは特にないので、「告発」といったものには特に興味がなく、相手から謝罪があればいちいち記事を書いたりしないし、謝罪があれば記事も消すけど、当該福岡大医師、この医師の妻(中学時代からの私の妻の親友)と、福岡大医師が雇った弁護士(被害者のわたしに刑事告発すると脅してきた)のいずれからも謝罪が一切ないので続きを書きます。この妻なんて(森高千里を世にデビューさせるきっかけを作ったあの人ですよ)私の妻とツーカーの仲だったんだし、「うちの夫がバカなことをしてホントごめんなさい」と謝罪すればことは収まっていたのになに無視で決めているのでしょうかね。朔啓二郎学長もバカですねえ。部下の不祥事のせいで自分の業績詐称を暴露されたらすぐに、「お前がごたごた起こすからおれにも火花が飛び散ってきただろうが。ちゃんと謝罪して来い」と当該医師に言ってさえおけばすぐ記事は消滅して、記事を書いた2年後にデータマックスの記者に私の記事を見つけられて大々的に報道されることもなかったのに。
「そうすれば学長も再任されたかも。」それはわかんないですけどね。
ということで話の続きです。この福岡大医師を告発する気持ちは特にないので名前は仮名にしておきます。この医師は「橋口」、医師妻は「ともこ」と名前を変えて話を進めます。
何があったかを最初に簡単にまとめます。2008年6月に朔啓二郎医局の医師に会社を作るよう頼まれます。「自分は教授から3千万円の予算のある論文校正の業務を任されており、いま製薬会社に論文1本あたり20万円で頼んでいるが、その製薬会社から薬を買わされて困っている。あなたに仕事を全面的に任せたいからすぐに会社を作ってくれ」。最初は断りますが、話の流れで7月23日に翻訳会社を設立することになります。しかし仕事はゼロ。3カ月たっても英語校正の仕事をまったく依頼してこないのでうちの妻が彼に電話をしたら「簡単に仕事を与えられると思うな」と彼から罵声を浴びせられます。
結局、論文1本あたり20万円という翻訳案件はゼロでした。「じゃあなんで翻訳会社を作ってくれと私に泣きついてきたの?」ということになりますが、後からわかったこと、わかったといってもあくまでも私の推測に過ぎませんが(だって福岡大学は調査しないんだもの)こういうことです。
①橋口医師は福岡大学医学部の偏差値が50くらいしかなかった頃に福大医学部に入学したおバカさんなので学術論文を書けず、このままでは医局から追い出されるのではないかと日々怯えていた。
②どうにかして業績を上げないといけないので、製薬会社に金を払って論文を代筆させていた。
③何らかの理由で製薬会社には代筆を頼めなくなってしまいこのままでは医局を追い出されるとパニック状態に陥った。
④その時、自分の妻の友人の夫が英語に精通しているという話を聞いて、藁をもつかむ気持ちでわたしに会社設立を頼んできた。
とはいっても私は英文校正以外は何もできないので、英語で論文を書けないどころか、日本語でも医学論文を書けない人の手助けは到底できません。不正行為だからできない以前にやりようがない話です。それで私が彼に「仕事がないというのはどういうことか」と問い詰めたら、論文校正の仕事はオファーできないが、ほかの仕事だったら頼めるといって新たな仕事をオファーしてきます。
「金を払うから論文の査読を手伝ってくれ」と。
「えっ、それ不正行為じゃないの?」
朔医局は本当に何でもありみたいです。論文執筆や査読に製薬会社を使うのはおたくの勝手だけど、なんで大学病院とはまったく関係のない私をそれに巻き込もうとするの?
ということで、今回は福岡大医師から儲け話を持ちかけられてまんまとひっかかってしまったおバカさん(あっ、わたしのことですよ)のお話です。
福大医師との出会いと自宅訪問
2008年3月、天神で偶然、うちの妻とともこがばったり会います。これが不幸の始まりです。2人は中学3年の頃の親友。放課後はもう一人の親友やよいといつも3人で遊んでいました。ともこは前回の記事で書いたように、森高千里がデビューするきっかけを作った人です。1986年に開催された第1回ポカリスエットイメージガールコンテストグランプリに、当時バンドをやっていた森高にいっしょに応募するよう誘ったら、森高はグランプリ獲得。ともこはコミックとらのあな社長の奥さんみたいな顔で、なんでコンテストに応募しようと思ったのかが不思議ですが、スチュワーデスになろうとしたり、ミスユニバースに応募したりと華やかな場に出たがる人だったみたいです。実際にミスユニバースには九州代表になったみたいですが。
それから2人はよく会うようになり、6月27日に妻は子供の誕生会に呼ばれてともこ宅を訪問。そこにいた橋口医師が自分は英語ができなくて困っていると言うと、妻が英語のことだったらうちの主人が手助けできるかもとつい発言。すると橋口は私と話をしたいので、翌週土曜日に私を連れてくるよう妻に言います。妻は約束できないと断りますが、仕事の話だから絶対連れてくるようしつこく言われます。
ということで、しかたないので7月5日に2人で橋口宅を訪問します。豪華な新築の一軒家です。土地はマキハウスから購入しますが、マキハウスとはトラブルがありメイプルホームに建ててもらったそうです。福大の医師はお金持ちですね。車も夫はベンツ、妻はシボレーに乗っていました。この人は福大勤務医以外での収入が多いのでしょう。「医療ガバナンス研究所」で製薬会社から医師に支払われた金額を調べることができますが、試しに2016年を確認したら125万円もありました(注: 中央値は7万8千円)。高そうなマッサージチェアがあったので利用。ステント手術の患者が自宅でお礼をしたいと言ったためその患者の自宅に家族で訪問したら、「何でも好きなものを持って行っていい」と言われ、そのマッサージチェアをもらったそうです。こんな100キロ近くあるものを輸送するのも大変だろうし、私にはマッサージチェアをもらう感覚が理解できません。九州大学の医師は患者から物品をもらったら贈収賄で処罰されますが、福大医師はなんでもありのようです。
橋口医師は少し遅れて帰宅しますが、すぐさま仕事の話を始めます。「自分は教授から3千万円ある英語校正の予算の決済を実質任されているが、信頼できる英語校正者を見つけられなくて困っている。いまは製薬会社にこの仕事を頼んでいるが、薬を購入されて困っている。この業務の需要は非常に大きい。全面的にあなたに任せたいから、会社を設立してこの仕事をやってもらえないだろうか。仕事はいくらでもあるから、会社設立に伴うリスクを心配する必要はまったくない。」
突然会社を作ってくれと言われても困るといって固辞すると、橋口医師は「ギブ・アンド・テイク」という言葉を繰り返し、頼むからすぐ会社を作ってくれと懇願してきました。そこでのギブとは、(1)この仕事を全面的に私に任せる、(2)論文1本当たり20万円でお願いする、(3)論文がリジェクトされてもちゃんと支払いをする、(4)Science, Natureに論文を掲載できたら、さらに50万円を上乗せする。彼が望むテイクとは、すぐに仕事を依頼したいので、(1)できるだけ早く法人を設立してくれ、(2)会社を作ったらすぐに連絡してくれ、の2点のみです。なぜ法人でないと仕事を頼めないのかと尋ねると、個人相手だと1つの業務につき5万円までしか支払えないからと返答しました。妻は法人設立に反対しましたが、橋口医師から「仕事はいくらでもある。自分は予算を動かせる力があるので何のリスクもない」と強く言われました。
たしかに条件は非常によいように思われました。医学論文は分量も少ないので1週間に1本の英語校正をこなすのは特に大変ではありません。そうすると月4本で80万円。最悪の状況を想定して3千万円の予算の1/10しかこちらに回せなくても年に300万円。翻訳会社は経費がほとんどかからないので年300万円の売り上げでも会社を設立する価値はあります。私が医学論文の英語校正をうまくできない可能性も考慮する必要がありますが、会社設立に伴う費用が100万円かかったとしても、5本の校正をこなせば費用分は稼げるので、ダメな場合はその時点でやめれば少なくとも損はしません。ちょっと話がうますぎる感じはしましたが、相手は大学病院の勤務医で彼の妻は私の妻の親友です。勤務医が詐欺をしたら大学病院から追い出されるだろうし、まさか自分の妻の関係者におかしなことはしないでしょう(どちらも私の希望的観測にすぎないことが後で判明します)。
ということで会社を設立することにしました。いますぐ回したい仕事があるということなので、さっそく会社設立の準備をします。自分で会社設立のための書類を整備するのは無理だとすぐにわかり、長谷川という行政書士に頼むことにします。法人設立費用は27万5千円。準備中にうちの妻はまた誕生会に呼ばれます。今回はともこと橋口医師の親の共同誕生会。橋口医師の親とうちの妻は面識があります。彼女がロサンゼルスに住んでいた頃、橋口医師の両親(父親は山口県の開業医)がロスに観光旅行に来た時に、ともこに頼まれ現地のガイドをしたことがあるからです。

会社設立をしたらすぐに仕事を回すといっていたので、妻に今書いている論文の草稿をもらってくるよう頼みます。しかし彼が妻に渡したのはすでに発表済みの論文が載っている学術誌が3冊と「福岡大学医学部第二内科同門会会誌 2007年号」という朔医局の年会誌。わけわからないというか、昭和48年度から平成19年度までに入局した医師の名前・住所・電話番号が載っている会誌を関係者ではない私に渡していいのか? これを見ると朔啓二郎学長は昭和53年度に入局し、彼の妻は東京女子医大出身で旧姓は宇都宮。朔氏との関係がいろいろうわさされる瀬川波子先生は平成3年度入局というのもわかりますが、私が持ったままでいいの? 「間違いがあって申し訳ありませんでした」と言ってきたらちゃんと返すよ。ところで「朔杯」というゴルフ大会を毎年開催しているのには失笑しました。朔学長はどこまで自分が好きなんでしょうか。

もう一つ誕生会で妻が橋口医師から言われたのが「医学論文の英語校正の支払いを書籍代として頼んでいいか」。同僚の人に相談したらそうするよう言われたそうなので、後でその同僚は三浦先生のことですか?と尋ねたら彼は「うん」と軽く返事。なぜ私が三浦伸一郎准教授(当時)かと思ったかというと、橋口医師の4本の発表論文すべてのセカンドオーサーが三浦医師だったからです。ラストオーサーはすべて朔教授でしたが、教授は大した研究関与がなくてもラストオーサーになるので橋口医師の英語論文のキーパーソンは三浦准教授であることがすぐにわかりました。
会社を設立する前日の7月22日に橋口医師に会います。彼の妻の誕生会にお呼ばれしたためです(自宅で共同誕生会を開いたのにまたしなくてもいいのに…)。場所は旧ホークスタウンのハードロックカフェ。妻の友人の誕生会なんて何も面白くなかったですが、彼らの子供はなついてくれたのでいっしょにゲームセンターに行ってUFOキャッチャーをしたり、プリクラで一緒に写真を撮ったりしました。誕生会終了後の帰りで橋口医師は私と私の妻に、「仕事はいくらでもあるんだから、嫌な奴と思った人の仕事は引き受けなくていいよ」と威勢のいいことを言っていました。顧客の選り好みもできるくらい仕事はあるんだと安心して翌日に行政事務所に行き必要書類をもらい、その足で福岡法務局で法人登記をします。
会社設立の費用は以下の通り。
会社設立費用 275,000円
事務所設立費用 118,370円
事務所賃貸料(1年契約分) 364,860円
英語校正業務の準備費用(1日2時間×90日×時給2000円) 360,000円
パソコン購入費 130,830円
関連書籍購入費 10,049円
ウイルス・バスター購入費 5980円
計126万5,089円
まっ、論文を6本校正すればすぐに回収できる額です。
会社設立後
しかし、「すぐ会社を作ってくれ。会社を作ったらすぐ連絡してくれ。仕事の打ち合わせをできるだけ早く進めて仕事をお願いしたい」と言っていたにもかかわらず、会社設立後、何の音沙汰もありませんでした。3週間たってもまったく電話がないので、8月10日に彼の携帯電話に電話をし、仕事を始める準備はできている、と言うと、「それは頼もしい」とだけ言われ、電話をすぐ切られます。その後も連絡がなく、初めて連絡が来たのは会社設立から1カ月以上たった8月25日です。
〇〇さん
まだまだ残暑きびしい日が続いておりますが、お元気されてますでしょうか?私は、少し時間のかかる仕事が溜まってきてイラついてるこの頃であります。最近は酒の量も増えてメタボ気味で、どうしようかと反省しております。
メールすると言っておいて、今回が初メールですみません。また仕事の件で相談することも多くなると思いますので、その際は宜しくお願い致します。また近い内に一杯誘っていいですか? 福岡大学 〇〇〇〇
自宅に呼んで「仕事をすぐ回すから早く会社を作ってくれ」と頼んできた人からのメールとは思われないような呑気な文面のメールです。とは言うものの、「仕事の件で相談をする」と書かれているので、飲みの場で仕事の打ち合わせをするのだろうと思い、次の連絡を待ちます。
しかし、仕事の打ち合わせをしたいという連絡はきません。さらに一か月後の9月26日にEメールがきますが、そこには最初の仕事の依頼があるのは早くても半年後という文面が…。
今、私が進めている研究が順調にいけば半年から1年後に論文になると思います。実験がなかなか順調に運ばず苦労しております。結果が出次第相談させて頂きます。10月半ばには、少し仕事が落ち着きそうなので連絡しますね
英語校正というのは論文が出来上がってからスタートします。「順調にいけば半年から1年後」に依頼する仕事のためにすぐ会社を設立してくれと頼んできた理由が全く分からず戸惑います(ちなみに購入した実験用の高額のウサギは次々と死んでしまいこの実験は順調に行かず、論文は完成しなかったようです)。また、自分一人の仕事の話しかしていないのも不自然です。こちらは英文校正の仕事が数多くあり、全面的に私に任せたいと言われたから会社を設立してわけです。しかし、教授から3千万円の予算の決済を任され、仕事はいくらでもあると言っていたにもかかわらず、彼が他の医局メンバーの論文英語校正の業務に関わっている気配が見られません。そこで以下の返事を9月26日に送ります。
〇〇さん、了解しました。
英語論文校正だけであればあまり専門知識がなくても依頼に応じられると思っていましたが、〇〇さんの話のニュアンスではそれ以上のことを期待しているようなので(たとえば日英翻訳)、暇な時間を見つけて循環器の勉強をしています。
ただ〇〇さんの論文の校正だけでは会社を維持することは無理ですし、お忙しいことでしょうが、一度××(注: 私の妻の名前)と今後について話し合ってもらえないでしょうか(論文校正指導以外の業務はできるだけ××に頼みたいと思っています)。
よろしくお願いします。
すると、その返事はないまま10月8日に次のメールが届きます。
Subject:力を貸して下さい
お久しぶりです。私は月に1~2の医学reportのreviewをしているのですが、今回依頼された内科学会誌のreviewは英語の表現がひどいように感じます。医学的内容についての「つっこみ」は指摘出来るのですが、英語の言い回しについてのアドバイスは私も得意ではありません。ご多忙の中誠に申し訳ありませんが、添付するreporを査読して頂き、〇〇(私の名前)が感じる総ての点を指摘して頂けると幸いです。私も10月末には仕事が落ち着きそうです。〇〇の会社の宣伝も兼ねて、数人紹介させて頂きます。なかなか時間が取れずにすみません。よろしくお願い致します。
このメールにはInternal Medicineに投稿されたPortopulmonary Hypertension Associated with Congenital Absence of the Portal Vein Treated with Bosentanというタイトル(論文著者: 日野智子、林田晃寛、岡橋典子、和田希美、渡邊望、尾長谷喜久子)が添付されていました。守秘義務があるにもかかわらず、査読前論文を第三者にメールで転送していたわけです。

私は彼の上司の朔啓二郎氏にアポイントメントをとって、こういうことがあったと報告しようとしましたが、大坪という弁護士から突然電話がかかってきて福岡大学に今度行ったら刑事告発するぞと脅されて福岡大学医学部には相談できないままでいます。
査読者が医学論文の査読を第三者に頼むのは不正行為ではないかと心配になりましたが、ひとつも仕事の依頼がないまま強気の態度もとれないので仕方なく引き受けます。気になったのは「会社の宣伝も兼ねて、数人紹介させて頂きます」という文面です。仕事はいくらでもあるから何も心配することはないと言ってきて会社設立を頼んできたのに、同僚を紹介するという話にすり替わっています。しかし、「論文一本の英語校正を20万円でお願いします」という人がいるわけはないし、少し頭がおかしい人ではないかと不安になっていると、ともこから私の妻へ、「夫がゴーストライターやってくれないかなあ、と言っていた」という連絡が入ります。この時点で彼が研究不正行為をしていると確信し、証拠書類を保存し、またICレコーダーを購入し、彼との電話や直接の会話をすべて録音するように用意します。
戦いが始まる
まだ言っていませんでしたが、うちの妻は結婚当初からかなり重篤なうつ病とパニック障害があり、その症状は次第に改善されていたのですが、この件が原因でうつ病とパニック障害に加え、不眠が再発します。私はいずれ彼が仕事がないことを白状して謝罪をするだろうからそれまではこちらから動かないようにしようと妻に言っていたのですが、ほとんど夜も眠れなくなって日中はずっと寝込むようになった彼女は、橋口医師からちゃんと説明を受けないと体が持たないと言い、会社設立からちょうど3ヵ月後の10月23日に彼に電話をし、仕事の依頼がないことに文句を言ったところ橋口医師は私の妻に、「そんな簡単に論文が書けると思うな」、「〇〇(注: わたしのこと)のことなんてよく知らないし、そんな人をほかの人に紹介なんてできるわけないよ」、「パンフレットも作らないし、何もしないで仕事を簡単に与えてもらえると思うな」と罵声を浴びせ、一方的に電話を切ります。
翌日にともこからうちの妻に電話があり、夫が私が何か誤解をしているようだから話をしたいと言っていると言われ、翌日に2人で橋口宅に訪問します。ここから戦いが始まります。
2008年10月25日以降の話は次回記事でこうご期待。あっ、戦いといっても私は全敗してますけど。