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DUO3.0の使い方と勉強法

目次

大学受験生に大人気のDUO3.0

システム英単語と並んで、受験者の間で人気がある英単語集がDUO3.0です。単語集と熟語集の2つを1つにまとめたからDUOと命名されたそうです。1572の単語と997の熟語を560本の例文に詰め込まれています。これらの見出し語の派生語・関連語も2214語収集されています(ただし、これらは例文がついていません)。合わせると計4783語。さらに知って役立つ同意語・反意語を3083語紹介しています。同意語・反意語も例文はついていないので、DUO3.0の使用者は560の例文を覚えることに専心し、派生語・関連語・同意語・反意語については参考程度に参照すればよいかと思います。CDも2種類売られていますが、CD5枚が入った「基礎用」(3,024円)よりも、見出し英文だけ収録されたCD1枚の「復習用」(1,296円)の方がお勧めです。後者には見出し英文・和訳だけが載った小冊子もついています。

現在市販されている英単語集の中ではDUO3.0は一番のお勧めです。日本で販売されている学習参考書は日本人が執筆しているのでおかしな英文がよく紛れ込んでいますが、DUO3.0に収録されている例文はすべて信用がおけます。計15名のネイティブチェックを受けているだけあって、文句の言いようがありません。受験用としては英語のプロが作った「唯一の」英単語集と言ってよいかもしれません。例文同士がつながっていてストーリー仕立てになっているので、例文の内容も面白いです。個々の例文の説明も詳しいので、ボキャブラリー力だけでなく、英文法、英作文、長文読解の力もつくし、CDを使えば発音・アクセント問題対策にもなります。例文をもっと長くした方がもっと覚えやすくなるかとは思いますが、『システム英単語』のミニマル・フレーズみたいに不自然に短いわけではないので、大丈夫であるかと思います。

アマゾンの感想欄でも絶賛されているDUO3.0ですが、1つだけ気にかかることがあります。

受験対策用として適切か。

『システム英単語』のような他の英単語集と違い、DUO3.0は大学入試問題を参考にして英単語が収録されていません。だからある方が述べているように、「どの単語帳にも載ってるような単語が無かったり、辞書でしか調べられなさそうな単語がのっていたり、クセの強い単語帳でもあります」。

私も例文で覚える英単語4800作成で大学受験に必須の英単語をリストアップする際にDUO3.0に収録されている英単語もすべてチェックしましたが、DUOが入試問題に出てくる英文をまったく考慮しないで作られた英単語集であることを確信するに至りました。

英語学習者はみな一度はDUO3.0をひもとくべきだと思います。でもそれは大学に入ってからの方がよいでしょう。DUOは会話表現が数多く出てきます(だからquotation markのついた例文が多いです)が、入試問題は論説が中心です。そのため入試問題には出そうもない英単語がDUOには数多く盛り込まれています。例えば、例文22のbrokeという形容詞。「お金がない」(without money)という意味ですが、入試問題にはまず出ない単語です(DUOには同意語としてbe hard up/be pennilessという表現が載っていますがこれも入試には出そうもありません)。「apartment」の関連語のstudio(p. 126)。居間と寝室が別々でないワンルームの部屋のことをstudioと呼びますが、これも入試には出ないでしょう。それにstudioという単語を覚えるのであれば、居間と寝室が1つずつある部屋の呼び名もセットで覚えておくべきです(one bedroomと言います)。print (p.294)は「印刷する」だけでなく、(筆記体ではなく)「ブロック体で書く」という意味があります。このprintの意味もアメリカに住むのであれば絶対知っておかないといけません。ただし入試には出ません。deli (p. 471)はdelicatessenの略語で<こんなお店>のことを指しますが、これも入試問題には出ないでしょう。ちなみにDUO3.0ではdeliが「ファーストフード店とレストランの中間的存在」と説明されていますが、ちょっと意味不明です。これだと定食屋あたりを思い浮かべそうですが、むしろ総菜屋の方がdeliに近いです。

idiot ばか」(p. 544)も入試問題には出ないでしょう。同意語としてjerk, fool, dummyが掲載されていますが、ばかはa foolとa stupid personの2つを覚えておけば十分です。ちなみに英語は「ばか」という意味の単語は数限りなくあります。moron, imbecile, sap, chump, goon, dingbat, goof, cretin, bonehead, lunkhead, meatballすべてa stupid personという意味のスラングです。入試問題にスラングが出ることはないので、受験生は覚える必要のない英単語です。

話が少し脱線しましたが、要するに、大学入試対策としてDUO3.0を使用するのはかなり躊躇する面もあるということです。結論として言えるのは、

①英検・TOEIC対策としては良書。
②受験生で、英語学習にあまり時間を割り当てることのできない場合はDUO3.0を使用しない。
③受験生で、毎日3時間以上英語学習をする余裕があり、かつ入試対策としてだけでなく、英語力そのものの力をつけたい方は、以下の方法がお勧め。

「大学受験用では無いという点での批判がよく聞かれるがそれが大きな不利益を与えうるとは思いません。大学受験用とうたっている単語集の売りは「過去の入試問題で出たものでこれからも出そうなもの」つまり、過去に出たものだけを考えて作られているわけです。実はこの手の単語は単語帳以外のもの、つまり参考書・問題集で覚える事ができるのです。問題集を解いている中で気になった単語を辞書で調べてノートに書き写す、それを繰り返すだけでも語彙力はアップします。少なくとも1500語程度は頭に入るでしょう。それを踏まえたうえでDUOは使われるべきです。これの売りである現代英語を覚えるのです。」
(アマゾン・カスタムレビューでのコメント)

これだけやれば十分という英単語集は存在しません。DUO3.0を使用する人も使用しない人も、語彙力向上のためには、必ず自分で単語帳を作成して毎日こつこつ英単語を覚えて下さい。

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